All About Eve - Scarlet & Other Stories

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All About Eve - Scarlet & Other Stories (1989)
Scarlet & Other Stories All About Eve

 英国の陰鬱系叙情系女性歌モノの筆頭として、というかほぼ元祖に祭り上げられているのがオール・アバウト・イブというバンド。このオール・アバウト・イブってさ、リアルタイムでもちろん出てきた時も知ってたし聴いてたんだけど、当時はどうにもこんな暗くて儚くて憂いのあるものなんて到底聴き続けられん…っていう若い頃でさ、もっとガンガン鳴る音を選んで行ったものだが、まぁ、その後プログレにハマった時にオール・アバウト・イブの名が出てきて、何で?みたいに思ったし、ここ最近ではネオプログレの元祖的に祭り上げられているし、まぁ、歴史は後で証明されるってモンで、何とも不思議な印象のバンドなのだった。

 1989年のセカンドアルバム「Scarlet & Other Stories」は丁度CD時代になってきてCDでリリースされてジャケットの迫力がなくなったな〜と思いながら聴いた一枚だった気がするのだが、CDって1986年ころから普及してるから何か間違えてるかも(笑)。そうだね、リアルタイムの頃の感想はホントにさ、当時英国からいくつも出てきていたニューウェイブ系バンドの先っちょにいる程度の捉え方で、女の子が歌っているという程度の違いしか感じずにとにかくこの暗いのはヤだな、っつう感じで全般的に生理的に拒否していたのだった。だから深く聴いてないし正直、全然離れていた。ところが何年か後にプログレにハマってたら何かとオール・アバウト・イブが紹介されてるんだよ。それは70年代から現代に至るまでに出てきた重要なバンドってことで語られていたりして、オール・アバウト・イブはプログレファンに好まれる音だった、ならまだしもオール・アバウト・イブはプログレバンドだ、と揶揄する表現もあったりして全くどんな話なんだ?とか疑問に思ってて、それでもやっぱり挑戦したくなって、そのオール・アバウト・イブをまた聴き直すワケですな。その頃にはまだプログレの話で聴いてるからピンとこない。ただ、この憂いとか暗さとか陰鬱な世界観ってのはエンヤがシーンに出てきていたのもあって、まぁ、その類いの意味ではそうなのか…くらい。

 その後、まだあって、英国トラッドやケルトに接するようになって色々と漁っていた時にもオール・アバウト・イブが出てきて、何で?と。ここで聴いてみると、なるほどかなりトラディショナルな雰囲気と音とケルトセンスの溢れる曲もあるなぁ…とやや納得。さて、ここまで来るとオール・アバウト・イブってどんなバンドなんだ?と。今思えば1988年にデビューしてから数枚のアルバムで終わってるけど、もしかしたらひっそりと新世界新ジャンルを築き上げたバンドだったんじゃないか?って話になって、それこそがネオプログレの世界からの元祖として祭り上げられることになったのだった。

 …と解釈に至ったってことです。そのセカンドアルバム「Scarlet & Other Stories」は全然プログレじゃないし、暗い陰鬱なケルトムードも含めたゆったりとしたロックサウンドで、ジュリアンヌ嬢の繊細な歌声が心地良く鳴り響く音世界で、トラッドやケルト音楽でもない。普通にゆったりとしたリズムに流れるような曲調が収められて真ん中では「December」という至宝の名曲が盛り上げてくれるアルバムの作りになっている名盤で、ツラツラと描いた序文の時期からは大きく自分の耳が進化して今では確かに名盤だと思うに至った次第。結局人間暗いんだなぁ…というのもこういうアルバムが廃れずに人気のあるままと言うのが物語っている気もするが、しっとりと雨の降る一日を過ごすには良いんじゃない?



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フレ
Posted byフレ

Comments 3

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ヒゲ・スカイウォーカー  
プログレって何でしょ?

誰に教えてもらったでもなく、ひたすらプログレ系のディスク・ガイドに載ってるCDを聴き漁ってった人間(=私です)にとっては、プログレっていまいち何を指すのか分からないんですよね。自分でも普通に「プログレ」って言葉、使ってはいるんですけど。なのでソレ系のガイドに載ってるのは広義の「プログレ」と理解してたりします(笑)

ALL ABOUT EVEやMELLOW CANDLEとかもそんな感じで聴きました。

何でも飲み込んじゃうとこが「プログレ」みたいな…

2012/05/25 (Fri) 23:04 | EDIT | REPLY |   
kazz_asai  
プログレ…?

ALL ABOUT EVEはCDリリース時に買ったのですが、どこの情報で聴く気になったのか忘れてしまいました。
そのときはジェーン・レルフの Illusionあたりに通じるのかな、などと思いましたが、多分全然違っていると思います。
自分の音楽に関する知識が非常に偏っているので、無理に自分のフィールドに押し込めようとする悪習ですね。
90年代末頃にはゴシックメタルの文脈でも語られていました。

2012/05/27 (Sun) 20:12 | EDIT | REPLY |   
フレ  
All About Eve

>ヒゲ・スカイウォーカーさん
そうだねぇ、プログレって、多分他でジャンル分けできないものを総じて先進的な音楽って意味でプログレ、なんだと思う。耽美とか偏屈、も含めて(笑)。
メロキャンは…、ねぇ、ジャンル不要っす。

>kazz_asaiさん
Illusionか…、時代の流れ的にはおかしくないけど、やっぱ突然変異ですよね、今聴けば。
ゴシックメタルの文脈でも語られているのは自分も見ましたね。
まぁ、それにしてもこの耽美的ってのがジャンルを超越した、日本語なら多分「萌え」なんだと…。

2012/05/27 (Sun) 22:09 | EDIT | REPLY |   

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