Nicholas Greenwood - Cold Cuts

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Nicholas Greenwood - Cold Cuts (1972)
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Cold Cuts - Nicholas Greenwood Cold Cuts

 先のKhanやCrazy World of Arthur Brownでのベースとボーカルプレイが実に際立った感触を味わえたプレイヤー、ニック・グリーンウッドのソロアルバムっつうのまで出ていたのは知っていたが、音は手に入らなかったので今の時代らしく簡単に手に入れてみた(笑)。もうさぁ、こんだけ簡単に音が聴けるとなるとホントにこれまでのコレクションとかレコード探しに費やした時間とか一体なんだったんだ?って思うよな。本質的に音楽を聴きたいという欲求だけで考えれば、という意味だけどさ。アイテムとしての価値や見つけた時のワクワク感やハンター的な嗜好はネットでDLでは味わえないもんね。聴きたいものがすんなり聴けるのはありがたい話なのでそこはまぁ、恩恵に肖って、またいつかレコードを見つけてみよう、みたいになるかな。ん?CD出てるのか、もちろん…。

 1972年リリースのニック・グリーンウッドという無名のベース奏者のソロアルバム「Cold Cuts」。趣味悪いジャケットも個性的で悪くないと思ってしまう自分がいるんだが、どうよ。ところでKhanのアルバムが1971年の作品で、この「Cold Cuts」は1972年の作品ではあるけど実際にはこのソロアルバムの方が制作が先に始まっていたとか…。そんなことでKhanとメンツが被るのは元より、これだけのクォリティの作品を生み出せる人がわざわざ自分のソロ作品をほったらかしてKhanに参加したってのが面白い。欲がないっつうか…。しかもこの「Cold Cuts」というアルバムはリリース当初はまるで無名のレーベルからひっそりと趣味的に発売されただけのようで、そのスジでは超レアアイテムだったらしい。しかし、それはコレクターからの見地であって、アルバム制作発表する側からしたら売りたかっただろうに…もったいない。だからこそKhanの方に参加して稼ぎに行ったのかもしれないが…。

 そんな背景はともかく、「Cold Cuts」は名盤です。これは見事に中途半端な英国のなんつうのか…プログレでもないしメジャーでもないし、ホントに例えようのないロック。カンタベリーでもないし…、ベースラインは歌っているしオルガンは強烈に良い音しているし、ドラムももちろん安定的に手数は多いし、歌だって湿った英国の男歌で、何とも形容し難い。だからこそ売れなかったってのはわかるが、英国ロックファンなら恐らく気に入るであろう作品。今の時代にきちんと陽の目を見ているってことでその価値はわかるんだが、いや〜、面白いな。



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フレ
Posted byフレ

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kazz_asai  

最初聴いた時は漠然とBEGGER'S OPERAの2ndのような印象を受けましたが、70年代の英国でなくては生み出せない、あの独特の威厳をたたえた音です。オルガン、フルート、ヴァイオリン…どれもが過度に主張することなく自分の立場を的確にわきまえて曲を構成している絶妙のバランス。ベーシストのソロとはとても思えないアルバムですよね。何よりもこんな名盤がマイナーに甘んじていること自体が、逆にこの時代の豊穣さを物語っています。

2012/04/14 (Sat) 21:30 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>kazz_asaiさん

こんな音にコメント付くのがウチの不思議なトコロ…、軽く驚きました(笑)。
そして「BEGGER'S OPERAの2nd」という具体的なアルバムが出てくる所もややびっくり、いや相当びっくりです。
確かになぁ…そういう印象もあるんだ、と今度はベガーズ・オペラ聴かないとな〜と思い出したり♪
ホント、ベーシストのソロを越えてますよね。

2012/04/16 (Mon) 21:40 | EDIT | REPLY |   

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