Khan - Space Shanty

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Khan - Space Shanty (1972)
Space Shanty (Reis) Cold Cuts

 カンタベリー人脈の深さと広がりは到底普通には整理できないもので、自分なんかはもう全然グチャグチャになってしまっていて、まぁ、どこからどこまでをカンタベリー人脈と語るのかもよくわからないけど、音を聴くと「ん?」ってのはあるので、自分的感覚ではそういう線引きがカンタベリー路線ってことにしてある。そもそも今回のKhanを持ち出して来たのは2つの理由によるもの。ひとつはすっかり忘れていたけどKhanのリズム隊はCrazy World of Arthur Brownのメンバーだから、本ブログの流れ上にあったんだ、ってこと。もうひとつはもちろんスティーブ・ヒレッジ、デイブ・スチュワートというArzachelからの流れ…ってか自分でも思うが順番逆だよな、ブログに上げるのさ…。ま、いいか。

 1972年にリリースされたスティーブ・ヒレッジがリーダーを務めるKhanというバンドのアルバム「Space Shanty」。そのスジではかなり有名な名盤なのだが、自分とこではまだ取り上げていなかったのでこれ幸いとばかりに今回の登場です。冒頭に書いたカンタベリー系列として語られるアルバムなんだけど、結構普通感があってベタベタなカンタベリーってんでもない。カンタベリーっぽくしているのは多分デイブ・スチュワートの鍵盤だと思う。スティーブ・ヒレッジのギターって結構泥臭いんだよ、ホントは。それがいつしかスペイシーなギタリストみたいに語られていくんだけど、「Space Shanty」聴いていると結構普通にギタリストだなぁとか感心する。ただ、ベースボーカルのニック・グリーンウッドのベースラインと歌声がかなりカンタベリー的な音だったりするのもこれまたユニーク、そしてテクニカル。このテクニカルさはいやらしさがまるで感じられないジャズ的ですらある的確なテクニカルさで心地良い。この人のラインが気になるリスナーも多かったんじゃないか?と思うくらい。…なんてのは当たり前だったのかソロアルバム「Cold Cuts」と言うかなりの傑作をリリースしているのがその実力♪

 話を戻そう…、このKhanの「Space Shanty」、なんというのか知性を感じさせる音で心地良い。そしてカンタベリー独特の聴きやすさが更に磨かれているようで、フワフワ感は適度なところなのでかなりユニークなアルバム。見事なバンドだったのに何故かこの一枚で消滅…ってかスティーブ・ヒレッジも若かったし、自分がリーダーには向いてないってことも実感したらしく、バンドを消滅させたみたいで実に残念。その分、後のGongやソロ作などに繋がっていくのかもしれないけど、このメンツの作品ってのはなかなか聴けないし、もったいない。



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フレ
Posted byフレ

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kazz_asai  

スティーヴ・ヒレッジにデイヴ・スチュワートというメンバーですからカンタベリー系列に間違いないのでしょうが、随所に見られるハードロックのアプローチが、HR命のプログレ未熟者という私には嬉しい1枚です。何しろヒレッジがストレートに弾きまくっているのがカッコよく、また敷居の高さを感じさせない万人受けするサウンドは、やはりメンバーの高い知性がなければ生まれなかったと思います。

2012/04/14 (Sat) 21:47 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>ka

ハードロック的アプローチ…なるほど。そういう事で自分も好きなんだ、確かに…。
この人アタマ良いんだろうなぁってのが見え隠れするのも確かですね。
しかし、もちっと線の太い自己主張ってのもあって良かったんじゃない?とか余計なお世話を思ったり。

2012/04/16 (Mon) 21:42 | EDIT | REPLY |   

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