EL&P - Welcome Back My Friends to the Show That Never End




やっぱりEL&Pというバンドは凄いな、と実感している今日この頃。あんまりEL&Pに関しては入れ込んだことがなくて、それなりに聴いていたけど聴く度に凄いな、とかハードロックじゃないか、とか思うことはあっても掘り下げてじっくり聞くまでは行かなかった。それは単にギターを楽しむということができないバンドだったからというのが一番大きい理由だった。鍵盤でハードロックやってるんで似たような音圧だったりするんだけど、どうしてもギター好きの自分としてはそこが引っ掛かってしまってね、いや、アルバム一枚とかなら別に鍵盤バンドとかでも全然平気なんだけど…、例えばGreensladeとか大好きだしさ、ただEL&Pの場合はアードバーグなんかも同じだけどオルガンとかが思い切りギターの代わりを務めているが故にギター的なハードさが欲しくなるっつうがあってさ、バンドとして何枚も聴いていると物足りなくなってくるんです。ただ、もちろんそのハードさは聴くたびに楽しんではいたんだけどね。
まぁ、そんな紆余曲折ありながらも普通以上には聴いた回数が多いだろうEL&P、ウチのブログでも結構取り上げてしまっていたので、今回はハードさの究極でもあるライブアルバム「Welcome Back My Friends to the Show That Never End」を。1974年にリリースされたアルバムで、3枚組で結構ヘヴィな印象しかなかったな。それもあって「Welcome Back My Friends to the Show That Never End」はじっくりと全部を一気に聴いていたことが少ないと思う。ところが時代が変わるとこれくらいはサラリと聴いてしまえるもので、今回も改めて思ったのだが、CDでも2枚組、それでも4分間の曲と10分超えの大曲がそれなりにバランスよく入れられていて、最後は王道の「悪の教典#9」で35分。音の洪水にまみれてみれば大して長いとは感じない90分間なんだな、と。名盤「Brain Salad Surgery」のツアードキュメントってことで最も白熱したEL&Pのライブが「Pictures at An Exhibition」を除いて収録されているから、コレはもうライブの姿を想像してやまないアルバムに仕上がっているでしょう。
それにしてもエマーソン、この人根っからロックな音を出す人なんですねぇ。鍵盤でこんだけロックする人も多くはないし、だからこそ時代を代表する人気者だったんだろうし、かっこ良かったんだろう。音聴いてるだけでもどこからこんな音出してくるんだ?ってくらいシンセの音が飛び交ってて白熱してる。その双璧を成す激しさでベースラインを弾くグレッグ・レイクもさすが元クリムゾン選手なだけあって素晴らしいフレーズが続々と。間を縫うカール・パーマーは、こんなもんかなという気がしないでもないけどこのフロント二人の存在感は凄いな。それにしても聴いていると疲れるアルバム…ライブだ。白熱するハードプログレなんだからそりゃ疲れるんだが、その分熱狂するファンが多かったのも納得。ひとつの宗教ですらあるもんな。スタジオ盤でどうにも、と思っていた自分が新たにハードロックバンドとしてのEL&Pを発見したのは「Welcome Back My Friends to the Show That Never End」に依るところが大きい。「Tarkus」の最中にグレッグ・レイクが「Epitaph」を歌うトコロなんてよく収録できたよなぁと思うけどハッとするもんね。
Sony UK (2011-02-22)
売り上げランキング: 4511
- 関連記事
-
- Carl Palmer - Working Live 2
- EL&P - Welcome Back My Friends to the Show That Never End
- EL&P - Trilogy