Quatermass II - Long Road
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1970年初頭の英国のロックバンドの中で今でも多分結構な人気を誇っているカッコ良いハードロックバンド、として認められているQuatermass。リッチー・ブラックモアと懇意にしていた関係から割とパープル関係の文脈で出てくることも多いし、有名なのはレインボウでカバーしていた「Black Sheep of the Family」って曲の存在だろう。そもそも第一期のパープルのメンバーはこの辺の面々から集めてきているワケで、英国ロック界の人脈ってのはそういうもんだ。そんなQuatermassの最初のアルバム「Quatermass」は年を追う毎に名盤扱いされてきているので今じゃ割と有名なジャケットで、プテラノドンがビルの谷間を飛び交う姿はやっぱりアナログレコードの迫力で楽しみたい。
そんなQuatermassが1994年頃から再活動に入ってて、1997年にはQuatermass II名義でアルバム「Long Road」リリースしている。オリジナルメンバーはドラムのミック・アンダーウッド…だけなんだよな。ベースにパープルのニック・シンパーが参加してて、鍵盤にゲスト的にドン・エイリーと、古き良きハードロック時代を思わせるメンツが揃っているので良い感じに音を出してくれるんじゃない?みたいな期待はしない方が賢明。自分もこのQuatermassってバンドにはやっぱり一発屋の凄さってのを感じたし、後継となったHard Stuffも好きだったからこうしてリリースされると期待しちゃったもん。ところがどっこい、あのQuatermassとは全然指向性が異なる音楽の登場です。それがまた正統派ハードロックで、バンド名を変えて出すべきだっただろうと思う。真正面からの一発勝負で90年代後期のハードロックなサウンドだから迫力もあるし曲も良い。パワーもあるしメンバーの貫禄もある、だから時代が違えばもうちょっときちんと評価されていたんだろう。が、やっぱりジャケットからしてダメだ。
意外性で売りたかったんだろうか?ま、それよりもミック・アンダーウッドがバンドやるんでQuatermass名義にしたのだろう。ニック・シンパーがいたならWarhorseでも良かったかもしれないが、ま、それはそれ。さて、普通にアルバムとして聴いてみれば悪くないが、一過性でしかないアメリカ寄りのハード・ロックであることは間違いなくて、それを英国の往年のロッカーが…って印象は拭えない。車の中で快活に聴くというレベルなら悪くないロック。アマゾンMP3でLong Roadが買えるって云う時点でCD再発は無いんだろうなぁ…。
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