Uriah Heep - Live '73




70年代初頭の日本では英国のハードロックブーム真っ盛りだったことは伝説として知っているだけなんだが、中でもDeep Purple、Led Zeppelin、Uriah Heepという3バンドは当時の高校生あたりをノックアウトしまくっていたらしい。Queenはちょっと後ってことで、来日公演で言えばこの頃はFreeとかProcol HarumとかTen Years Afterあたりもいたけどやっぱり少し目立たなかったのだろうか。そんな時代背景と栄華を誇った当時のユーライア・ヒープの影響はしっかりと日本の当時のバンドにも影を落としていたので、ここで久々に取り上げてみたワケだが、あ、あとBlack Sabbathの影もあったな。わからんけど、当時だと多分King CrimsonよりもEL&Pの方が人気があったハズで、それも来日公演があったからという理由と思われるんだが、まぁ、今思えばそんなにポップ性のないものばかりよく人気があったものだと。良い時代だったんだろうな。
1973年6月にリリースされたUriah Heepのライブ名盤として誉れ高い「ユーライア・ヒープ・ライヴ」。ちなみに来日公演が1973年3月だったのでリアルタイムでライブを体験した世代には疑似体験できるライブアルバムとしても名高いハズ。しかし、ライブに行った人の話を色々と聞くと、とにかく来日公演はひどい演奏でとんでもないシロモノだったとの事。これがあのUriah Heepか?と思うようなライブでとにかく酷評。そのおかげか来日公演以降一気に失速していったのは日本だけかもしれない。更に後日談ではプロモーターがどうしようもない程に素人で、移動や設営からホテルやリハーサルなど全ての段取りが出来ていなくて、しかもステージではモニターがまるで機能しなかった中でのライブだったってことでひたすら最悪の環境だったらしい。とてもライブなんて出来る状態じゃなかったけど、プロだからってことで無理無理本人たちがステージに出ていって演奏をしていったと。普通なら帰ってたくらいだが、そこまで何の手配も出来てなかったってのは時代なのかもしれないけど、まだまだライブイベントは素人では出来ないものだったんだろう。そんなことで当の本人達も悪夢の日本公演になっていたようだ。それで日本ではUriiah Heepとの仲が悪くなったとか…。
常にこんな話が語られるのもUriah Heepならではのことかもしれないが、そんな悪夢の後にリリースされたライブアルバム「ユーライア・ヒープ・ライヴ」は一転して名盤と言われるくらいに素晴らしい仕上がりになっているのだからこれもまた面白い話。日本のファンはこのアルバムを聴いた時、益々Uriah Heepの面々が日本をナメ切ってたんだな、と思ったようだ。大きな誤解のまま今に至る…。それくらいにこの「ユーライア・ヒープ・ライヴ」は良いアルバムなんだよね。当時の全盛期のUriah Heepの姿をそのまま収録しきってるし、曲も良いしさ、ゲイリー・セインのベースなんて神業だよ、これ。そうかと思えばもちろんケン・ヘンズレーの存在感の強さも光るし、デヴィッド・バイロンの歌にしても恒例のヒープコーラスにしても実にヒープらしい♪一番目立たないのがヘヴィーなギターを弾いているハズのミック・ボックスって話もこれまた面白いんだが(笑)、いやいや独特のノリを十分に知らしめて「Easy Livin'」のグルーブから名曲「July Morning」の正にヒープしか出せない叙情性を堪能できる。CD時代になって一気に聴けるってのは結構雰囲気変わるもんだなと思った記憶があるが、今じゃ2CD盤が出ているのな。1枚目は普通のライブだけど2枚目にはラジオショーと74年の「Live at Shepperton '74」のライブが入ってるお得なデラックス盤なんだ…、知らなかった。
しかしいつ聴いても最後の「Rock'n Roll Medley」は不要だよなぁとか思ってしまうのだが、これもまた時代の成せる業に違いない。Uriah Heepの持つ叙情性の原点がここにあるとは思えないんだけど、やっぱりロック好きなんだなぁと妙に感心はする。ただ、要らない(笑)。
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