Russ Ballard - Winning

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Russ Ballard - Winning (1976)
ウィニング(紙ジャケット仕様) ラス・バラード(紙ジャケット仕様)
Winning - Russ Ballard Winning Anthology - Russ Ballard Anthology

 英国ロックの深みを散策しているととんでもないものにぶち当たることがある。ラス・バラードと言うソングライターにしてもそうなんだが、60年代から地道に活躍し続けていた人で、メジャーブレイクしたのはやっぱりアージェントの時代からで、ポップでキャッチーな側面の強い楽曲を次々にヒットさせ、アージェント時代の楽曲にしてもいろいろなバンドがカバーをしていたりするのだが、大体がラス・バラードの楽曲をカバーしているワケで、器としてアージェントがあったというようなもんだ。1974年にすったもんだの音楽性の方向性の違いでアージェントを脱退してからはソロ活動を行うことになったが、多分既に作曲家としての才能は各方面に知られていたんだろうな。それでも作曲家として人に曲を差し上げるという行為はまだまだ考えていなかったのか、自身でソロアルバムを作ってリリースすることで才能を世に広めていったようだ。

 1976年のセカンドソロアルバム「ウィニング」が有名なんじゃないかな、ってか有名なハズだ。後々に取り上げられる楽曲の数からしても「ウィニング」が一番多いし、もちろん彼の全作品を聴いたわけじゃないけど、かなり良質のポップチューンが並んでいる傑作で、なるほど様々な人に気に入られるハズだよな、と。まずは冒頭のタイトル曲「ウィニング」はサンタナが歌入りのまま取り上げているし、ご存知「Since You Been Gone」はレインボウ他グラハム・ボネット関連ではいつも出てくるレインボウ最大のヒット曲だし、「Cuckoo」はベイ・シティ・ローラーズに取り上げられている。その他でも「A Song For Call」なんてワムみたいなキャッチーでキュートなバラードだし、どの曲もシングルヒットの可能性を持った曲が並んでいる。多分失敗したのはジャケットのダサさと売り方かな。他人にどんどん歌わせていけばもっと面白くなったんだろうなと思う。

 「ウィニング」に参加した面々を見てもスペンサー・デイヴィス・グループからの面々や鍵盤奏者として名を馳せているラビット、面白い組み合わせとしてはフェアポート・コンベンションのドラマー、デイブ・マタックスも参加しているようで、この人脈の幅の広さも才能開花のヒントだし、以降はハードロック人脈も当然増えていくワケで、何とも素晴らしいことだ。ザ・フーのロジャー・ダルトリーのソロ作品には何かしら関与しているし、プロデュース業や作曲業など正に音楽業界人。騙されたと思って聴いてみるとその才能の深さに驚くだろう、そして足りない何かも気づくんだが、かなりの良作ですなこの「ウィニング」はさすがにプロミュージシャンに敬愛されるだけある作品です。





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フレ
Posted byフレ

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