Graeme Edge Band - Kick off Your Muddy Boots
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Graeme Edge Band - Kick off Your Muddy Boots (1975)

ガーヴィッツ兄弟の偉業…とまでは言わないが、英国ロックシーンに於いてガーヴィッツ兄弟の果たした役割と言うか出してきた作品群の面白さは傑出している、というくらいに自分では評価していると言うか好きなんですよね。ただ、コピーしてギターを弾くとかエイドリアン・ガーヴィッツのギターフレーズを研究したり手癖を研究するってのまでには至らないので単に聴いてて好きな人たちなんです。多分音の個性が好きなんだろう。そんなガーヴィッツ兄弟がThree Man Armyの解体後すぐに次の仕事にとりかかる。多分本来は単なるセッションの意味合いが強かったのではないだろうかと思うのだが、グレアム・エッジのソロアルバム製作支援、だ。
1975年にリリースされた「Kick off Your Muddy Boots」はガーヴィッツ兄弟とジンジャー・ベイカーが参加している…そうBaker Gurvitz Armyの面々がバックを務めているワケで、そこにミック・ギャラガーという鍵盤奏者が加わってムーディ・ブルースのグレアム・エッジが率いているという構図だ。Baker Gurvitz Armyの方は1974年にアルバムリリースしているので、多分同時期に仕事が進行していたんじゃないかと思うのだが、一方ではジンジャー・ベイカーと、一方ではグレアム・エッジと、と言う仕事の幅とメジャーアーティストからの信頼感が見事に実力の高さを物語っているだろう。Baker Gurvitz Armyの話は後ほどとして、このグレアム・エッジのソロ作、否、The Gream Edge Bandというバンド名義になってしまった最初のアルバム「Kick off Your Muddy Boots」は正にバンド名義にして然るべき楽曲群とガーヴィッツ兄弟の才能が開花している。そこには確かにガーヴィッツ兄弟やジンジャー・ベイカーでは出せないクラシカルな旋律=ムーディ・ブルースの雰囲気がグレアム・エッジによって加わっている。もちろん後にクラッシュに参加することになるミック・ギャラガーの才能も加わっているだろうが、多分アルバム取りまとめはグレアム・エッジだろうからそんな雰囲気。ジンジャー・ベイカーもドラムで参加してます、最もゲスト扱いではあるけど。
何といっても「Kick off Your Muddy Boots」で驚くのはさすがメジャーシーンのアーティストと組んだ音ってのはこうだよなと思うくらいに洗練されている独自の世界観だと言うこと。ガーヴィッツ兄弟のドタバタ感がまるでなくなり、見事に音とバンドに昇華されて融合して、本意ではなかったかもしれないが、ひとりのプレイヤーとして才能を発揮する事になった作品だ。多分この後のエイドリアン・ガーヴィッツのAORへの接近を考えれば、ここでひとつのハードルを超えて新たな世界が開けたに違いない。それでもジンジャー・ベイカーと昔ながらのスタイルのバンドを続けていくというのはかなり考えただろうなぁ…と思いを馳せる。そんな人間的感覚はともかく、この「Kick off Your Muddy Boots」はかなりの名盤、メジャーグラウンドでの名盤です。エイドリアン・ガーヴィッツのギターが独特のものから更に飛躍して泣きのメロディをメロディアスに奏でるソロへと変わっていて、ピアノやオーケストラと絡んで何倍にも美しさが増している。この辺の繊細さってのがトリオハードロックバンドでは出せない味だったワケで。コーラスワークを駆使したり、隠し味のピアノが効いていて聴きやすくなってるとか、予想しないオーケストラが出てくるとかかなりカラフルで飽きずに楽しめる一枚。だんだんガーヴィッツ兄弟ってのを忘れてくるくらいに作品完成度が高いのだが、面白いのはそれらの曲を作っているのはエイドリアン・ガーヴィッツで、自分の作品がこんな風になるのか、という驚きもあっただろう。
ちょっとだけ歴史的な話すると…、いくつかの曲、例えば「The Tunnel」は明らかに後のAORに向かうアレンジになってて、本人はギターをどうやって入れていこうかみたいな雰囲気を感じる。それよりもこういうビートと雰囲気に圧倒されているようで、曲が本人を超えてしまっている。そこでエイドリアン・ガーヴィッツはAORへの接近を面白いと感じたんじゃないかな。そして栄光のサクセスロードを一瞬だけ登っていくような…。


ガーヴィッツ兄弟の偉業…とまでは言わないが、英国ロックシーンに於いてガーヴィッツ兄弟の果たした役割と言うか出してきた作品群の面白さは傑出している、というくらいに自分では評価していると言うか好きなんですよね。ただ、コピーしてギターを弾くとかエイドリアン・ガーヴィッツのギターフレーズを研究したり手癖を研究するってのまでには至らないので単に聴いてて好きな人たちなんです。多分音の個性が好きなんだろう。そんなガーヴィッツ兄弟がThree Man Armyの解体後すぐに次の仕事にとりかかる。多分本来は単なるセッションの意味合いが強かったのではないだろうかと思うのだが、グレアム・エッジのソロアルバム製作支援、だ。
1975年にリリースされた「Kick off Your Muddy Boots」はガーヴィッツ兄弟とジンジャー・ベイカーが参加している…そうBaker Gurvitz Armyの面々がバックを務めているワケで、そこにミック・ギャラガーという鍵盤奏者が加わってムーディ・ブルースのグレアム・エッジが率いているという構図だ。Baker Gurvitz Armyの方は1974年にアルバムリリースしているので、多分同時期に仕事が進行していたんじゃないかと思うのだが、一方ではジンジャー・ベイカーと、一方ではグレアム・エッジと、と言う仕事の幅とメジャーアーティストからの信頼感が見事に実力の高さを物語っているだろう。Baker Gurvitz Armyの話は後ほどとして、このグレアム・エッジのソロ作、否、The Gream Edge Bandというバンド名義になってしまった最初のアルバム「Kick off Your Muddy Boots」は正にバンド名義にして然るべき楽曲群とガーヴィッツ兄弟の才能が開花している。そこには確かにガーヴィッツ兄弟やジンジャー・ベイカーでは出せないクラシカルな旋律=ムーディ・ブルースの雰囲気がグレアム・エッジによって加わっている。もちろん後にクラッシュに参加することになるミック・ギャラガーの才能も加わっているだろうが、多分アルバム取りまとめはグレアム・エッジだろうからそんな雰囲気。ジンジャー・ベイカーもドラムで参加してます、最もゲスト扱いではあるけど。
何といっても「Kick off Your Muddy Boots」で驚くのはさすがメジャーシーンのアーティストと組んだ音ってのはこうだよなと思うくらいに洗練されている独自の世界観だと言うこと。ガーヴィッツ兄弟のドタバタ感がまるでなくなり、見事に音とバンドに昇華されて融合して、本意ではなかったかもしれないが、ひとりのプレイヤーとして才能を発揮する事になった作品だ。多分この後のエイドリアン・ガーヴィッツのAORへの接近を考えれば、ここでひとつのハードルを超えて新たな世界が開けたに違いない。それでもジンジャー・ベイカーと昔ながらのスタイルのバンドを続けていくというのはかなり考えただろうなぁ…と思いを馳せる。そんな人間的感覚はともかく、この「Kick off Your Muddy Boots」はかなりの名盤、メジャーグラウンドでの名盤です。エイドリアン・ガーヴィッツのギターが独特のものから更に飛躍して泣きのメロディをメロディアスに奏でるソロへと変わっていて、ピアノやオーケストラと絡んで何倍にも美しさが増している。この辺の繊細さってのがトリオハードロックバンドでは出せない味だったワケで。コーラスワークを駆使したり、隠し味のピアノが効いていて聴きやすくなってるとか、予想しないオーケストラが出てくるとかかなりカラフルで飽きずに楽しめる一枚。だんだんガーヴィッツ兄弟ってのを忘れてくるくらいに作品完成度が高いのだが、面白いのはそれらの曲を作っているのはエイドリアン・ガーヴィッツで、自分の作品がこんな風になるのか、という驚きもあっただろう。
ちょっとだけ歴史的な話すると…、いくつかの曲、例えば「The Tunnel」は明らかに後のAORに向かうアレンジになってて、本人はギターをどうやって入れていこうかみたいな雰囲気を感じる。それよりもこういうビートと雰囲気に圧倒されているようで、曲が本人を超えてしまっている。そこでエイドリアン・ガーヴィッツはAORへの接近を面白いと感じたんじゃないかな。そして栄光のサクセスロードを一瞬だけ登っていくような…。
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