Steamhammer - Speech

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Steamhammer - Speech (1972)
Speech (Dig) Mountains
Speech - Steamhammer Speech Mountains - Steamhammer Mountains

 いや~、この辺のバンドのあれこれを見ていたり聴いていたりすると面白いことがいつまで経っても発見されてきてキリがない。その辺が英国ロックの深い霧とも言われる所以で、超王道メジャーバンドから超マイナーな無名のアーティストまで多分全部繋がってしまうのだ。人脈的な、という意味だったり音楽的という意味だったりするのだろうけど、とにかく人脈でバンド組んだ、とか面白そうだから何かやってみるか、ってな具合に人が集まってたりするので、スーパーバンドってのも後で言われてみれば、みたいな時もある。だからそれは必ずしも成功するとは限らない。最初から明確な音世界があってバンド組んだ訳じゃないからだろう。超メジャーな所ではスーパーバンドってのは成功しないものだけど、ちょいとB級に入ってくるとそれはもうアチコチのバンドからの猛者が集まって、くっついたり離れたりして、その系譜が大変。魑魅魍魎とした世界が広がります。そこにプロデューサーやエンジニアやレーベルなどが絡むから更に複雑怪奇な世界が出来上がる。

 …なんでこんな話なんだ?あ、Steamhammerの来歴見てたらそんなことを思ってしまったからです。イリュージョンや初期ルネッサンスに絡むルイス・セナモが参加したってことと、アルバム「Speech」でのプロデュースがキース・レルフだったってことで。このアルバムが出会いだったんじゃないかな、多分。んで、SteamhammerはZeppelinとジョイントでライブやってたりするんだからまた深い世界。英国ロックは面白い。特に70年前後は最も活気溢れていた時代だろう。

 そのSteamhammerの1972年リリースの最終作「Speech」は何とハードロックバンド、と定義して良いにも拘らず、3曲しかアルバムに入っていない。A面1曲、B面2曲だ。時間そのものは今の時代にしてみればアルバムとしては短いのだろうけど、アルバム片面が一曲って凄いことだよ。昔はそんな長いの聴けないだろ~って思ってたけど、いつしかそんだけ長いならきっと何かやってくれてるに違いない、と確信して聞くようになっていた。得てして何かしら面白いことやってくれてる事が多い。この「Speech」の場合は…、オープニングからして奇妙なチェロの硬くて冷たい音が出てきて、まるでZeppelinの「幻惑されて」のライブのアドリブ途中から始まるようなもんだ。なんだそりゃ?となり結構長く続いてから始まるのが無茶苦茶チープな歪んだギターでのリフ。このリフは後に「Armageddon」の一曲目「Bazzard」として更に洗練されて使われることとなる原型だが、とにかくチープ、笑っちゃうくらい。B級さ丸出しでカッチョ良い。キース・レルフもこのリフに痺れたんだろう。それと、ドラムのミック・ブラッドリーって人、かな?が、凄く良いドラムを叩いてて、これぞ英国ロックドラマー!って感じの自分的には凄く好きなドラミングです。小技が利いててロールしてて、それでもドタバタ感あって…っつう。この人この年に死んじゃうんだよ。んで、様々なバンドを集めてトリビュートライブをやったんだが、結局翌年解散となってしまった。そこからアルマゲドンに移行していくみたいだけど、まずはこの「Speech」という作品。ファーストのブルースロックバンドから始まり、前作「Mountains」ではプログレッシブな方向性を持ったハードロックバンドとして実験的なライブレコーディングをまずまずの出来に仕上げている。そして意気揚々と製作した最も熟成したアルバムが「Speech」だと思っていて、充実度は実に高い。長い曲でも単に鍵盤で長引かせているとかではなくて構成がしっかりと組まれていて、でもフリー部分もあったりしてプログレではないハードロックバンドな音です。チープだけど(笑)。

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Posted byフレ

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