Can - Future Days



ドイツのバンドと云うと、やはりかなり硬質なプログレッシヴロックのイメージが強い。これは一体どこからやってくる幻想なのだろうか?実際にドイツのプログレバンドで知っているバンドなどそれほど多くはないので、その理由を未だに知らないでいるのも事実だ。多分、ファウストのアナログジャケットの美しさの中にそれは存在していたのだろう。また、幼少期に刷り込まれたドイツ軍の戦車=鋼鉄の棺桶のようなイメージからドイツ=硬質という印象が根付いているのかもしれない…。が、多分、もっと印象深いのは実際のフランクフルト空港に降り立った時に全てが金属で作られていた空港の印象が一番強烈なのかもしれんなぁ…。あ、もうひとつ…「エロイカより愛をこめて
で、ある意味そのままの硬い…と云うとかなり語弊を招くのだが、一体何なんだこのバンドは?って思うくらいのサウンドなのにもの凄くメジャーなバンドとして名高いのがCanだ。ボーカルが日本人という特異なバンド編成が日本での人気を後押ししていることは否めないが、それでもドイツでこんな前衛音楽が市民権を得て遠い島国日本にまで波及するその斬新性ってのはバンドの凄さだろう。断言しておくが、いわゆるプログレッシヴロックの音楽ではない。前衛音楽であり、ミニマルミュージックであり、ガレージサウンドであり、地を這うようなダモ鈴木の歌声がこれも心地良いが、音のひとつひとつに生命の息吹が与えられていて、その生命は一体どこに向かって宙を彷徨っているのだろうと思うような浮遊感と心の中を浮遊する旋律が現実を忘れさせてくれる…そんなサウンドで、決してまかり間違っても一般人が聴ける音楽ではない。が、ロック、しかも英国の湿っぽさが好きな方なら聴けるのかもしれない…。
そんなサウンドを顕著に認識させてくれたのがカンの6作目、ダモ鈴木の最後の参加作品となった「Future Days」
他にも「Tago Mago」
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