Peter Hammill - Over
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Peter Hammill - Over (1976)

Over
Fool's Mate
ロックを聴いて泣ける人、音楽を聞いて感動できる人、その数が多ければ多いほど繊細でアーティスティックな感性が豊かなのだろう。もしくはナイーブな感性の持ち主なのだろうと。ま、ロックってのはそういう側面と熱くなる騒ぎ立てるすっきるするみたいなのあるんだけど、ジョン・レノンを代表とするような泣けてくる、みたいな感性もこれまたロックの一部でね、ただ、そういう側面を出せるアーティストってのが多くはない。そのヘンがひとつの境目っつうかハードルっつうか、もっともそういう側面を出さないっていう人もいるんで、そんなこと基準にするなって話もあるんだが、それでもね、見え隠れしますよね、そういう感性で奏でている所ってさ。ギターで訴えてくる人も鍵盤で訴えてくる人も歌で訴えてくる人もいるし、手法は様々だけどそういう魅力がないのはやっぱり一過性の音楽でしかないものになることが多いし、アーティストと言うよりもミュージシャンなワケだ。そんな事を思い知らされたのも久々に聴いたピーター・ハミルの作品からです。
1976年録音のピーター・ハミルのソロ名義作品となる「Over」。実質はVan Der Graaf Generatorの作品なんじゃないか?っつう意見はあるのだが…。何せバンドのメンバーを使って録音されているワケで、デヴィッド・ジャクソン以外の、ニック・ポーターもガイ・エバンスも参加しててもちろんピーター・ハミルだし。ただ、ちょいと異なるのはデヴィッド・ジャクソンがいないことでサックスやフルートと言った情感的な音色を奏でる楽器が無くなるので、その分をString Driven Thingに在籍していたグラハム・スミスを配置してバイオリンという楽器でエモーショナルな世界を音色として出せるように配している、それがピーター・ハミルのソロ作品とVdGGとの違いだ、ということのようだ。もっともその甲斐あってかVdGGとはかなり音世界が異なるので面白い。
どうも「Over」という作品破滅が元になって作られているようで、バンドの崩壊劇だったりお別れだったりとアーティスティックになる要素が多分にあって、それらを歌詞の世界で吐き出しているようだ。このヘンの歌詞ってのがピーター・ハミル独特の世界で、もっと理解しないといけない所なんだけどなかなか…。んで、音楽だけで追いかけてみてもかなりネガティブな方向性が強い、そして情感的な音色を奏でるヴァイオリンが美しい「Autumn」なんて涙出てくるもん。そんな女性の名前の話ではないだろうが多分代名詞にしているであろう「Alice」なんてアコギ一本での弾き語りだけど曲だけで聴けばピンク・フロイド的ですらある。一方冒頭の「Crying Wolf」では思い切り歪んだギターでハードにアグレッシブにロックしているが、かなり悲しい感覚は否めない。その辺正直なアーティストなのかもしれない。
そんな様相で、やっぱり暗い印象を持ってしまうアルバム。VdGGではここまで生々しい感触はないので、やっぱり個人的要素が強いソロアルバムということになるのだろう。昔聴いてた時はここまでの感情を持たずに流してたんだけど今回聴いていて、その繊細さとかを凄く実感してしまって、ピーター・ハミルのアルバムでは「Over」が一番の名作だ、と言う声にも納得できた。ただ、自分的にはあまりこういう作品を求めたくないなという反発はあるね(笑)。




ロックを聴いて泣ける人、音楽を聞いて感動できる人、その数が多ければ多いほど繊細でアーティスティックな感性が豊かなのだろう。もしくはナイーブな感性の持ち主なのだろうと。ま、ロックってのはそういう側面と熱くなる騒ぎ立てるすっきるするみたいなのあるんだけど、ジョン・レノンを代表とするような泣けてくる、みたいな感性もこれまたロックの一部でね、ただ、そういう側面を出せるアーティストってのが多くはない。そのヘンがひとつの境目っつうかハードルっつうか、もっともそういう側面を出さないっていう人もいるんで、そんなこと基準にするなって話もあるんだが、それでもね、見え隠れしますよね、そういう感性で奏でている所ってさ。ギターで訴えてくる人も鍵盤で訴えてくる人も歌で訴えてくる人もいるし、手法は様々だけどそういう魅力がないのはやっぱり一過性の音楽でしかないものになることが多いし、アーティストと言うよりもミュージシャンなワケだ。そんな事を思い知らされたのも久々に聴いたピーター・ハミルの作品からです。
1976年録音のピーター・ハミルのソロ名義作品となる「Over」。実質はVan Der Graaf Generatorの作品なんじゃないか?っつう意見はあるのだが…。何せバンドのメンバーを使って録音されているワケで、デヴィッド・ジャクソン以外の、ニック・ポーターもガイ・エバンスも参加しててもちろんピーター・ハミルだし。ただ、ちょいと異なるのはデヴィッド・ジャクソンがいないことでサックスやフルートと言った情感的な音色を奏でる楽器が無くなるので、その分をString Driven Thingに在籍していたグラハム・スミスを配置してバイオリンという楽器でエモーショナルな世界を音色として出せるように配している、それがピーター・ハミルのソロ作品とVdGGとの違いだ、ということのようだ。もっともその甲斐あってかVdGGとはかなり音世界が異なるので面白い。
どうも「Over」という作品破滅が元になって作られているようで、バンドの崩壊劇だったりお別れだったりとアーティスティックになる要素が多分にあって、それらを歌詞の世界で吐き出しているようだ。このヘンの歌詞ってのがピーター・ハミル独特の世界で、もっと理解しないといけない所なんだけどなかなか…。んで、音楽だけで追いかけてみてもかなりネガティブな方向性が強い、そして情感的な音色を奏でるヴァイオリンが美しい「Autumn」なんて涙出てくるもん。そんな女性の名前の話ではないだろうが多分代名詞にしているであろう「Alice」なんてアコギ一本での弾き語りだけど曲だけで聴けばピンク・フロイド的ですらある。一方冒頭の「Crying Wolf」では思い切り歪んだギターでハードにアグレッシブにロックしているが、かなり悲しい感覚は否めない。その辺正直なアーティストなのかもしれない。
そんな様相で、やっぱり暗い印象を持ってしまうアルバム。VdGGではここまで生々しい感触はないので、やっぱり個人的要素が強いソロアルバムということになるのだろう。昔聴いてた時はここまでの感情を持たずに流してたんだけど今回聴いていて、その繊細さとかを凄く実感してしまって、ピーター・ハミルのアルバムでは「Over」が一番の名作だ、と言う声にも納得できた。ただ、自分的にはあまりこういう作品を求めたくないなという反発はあるね(笑)。
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