Moody Blues - A Question of Balance
0 Comments
Moody Blues - A Question of Balance (1970)

A Question of Balance (Bonus Track Version)
Every Good Boy Deserves Favour
叙情的な音を奏でるバンドってのは割と日本のプログレファンには受ける音で、評価も高いようだ。世界的に見るとどうなのかはよくわかんないけど、ヨーロッパではウケが良い感じ。ただし、国によって仰々しさが異なるので一概に、でもないけど自分の好きな英国ではその加減が実に難しくて、叙情性だけじゃ全然評価されて来なかったし、かと言ってロックンロールでもそれだけじゃなかなか難しくて、何ともジャンル分け出来ないバンドってのが多数輩出されているのはそんな英国人特有のセンスによるものが大きいはずだ。そのセンスが面白いから英国ロックって錆びないんだが…。さて、そんな中でもこれほど一般の評価と実態がかけ離れているバンドもあんまりないんじゃないの?っていうのがムーディ・ブルース。まぁ、聞く人によりけりなんだけど普通はプログレッシブバンドという位置付けの認識が高いはず。あのジミー・ペイジをして「真のプログレッシブバンド」と言わせたのだから、ということだが英国人の言うプログレバンドと日本人が思うプログレバンドってのはやや趣が異なるのでそのまま受け入れるのはどうかと…。簡単に言えば英国人=ネイティブの人間が「プログレッシブ」と言うからには本当に「進化していく」という意味が強いだろうから、カテゴライズの意味ではなくて「発展、進化する」バンドという意味で挙げたんじゃないかと。まだカテゴライズとしてのプログレッシブロックなんて言葉が無かった頃の話だしね。一方の日本ではもちろんカテゴライズとしてのプログレッシブロック、なのでその辺の狭間に挟まれてしまったバンド、なのでは。ま、英国B級路線聴いてるとそんなバンドが多数あるんだけどその中でも思い切り市民権を得てしまった代表格とも捉えればわかりやすいのかもしれない。それにしては傑出しすぎているんだが。
「Question of Balance」は1970年にして既にバンドとしてのアルバムは6作目ともなり、圧倒的に音楽キャリアの長さが際立つバンドで、70年代を担うどころか60年代を走り抜けて正に最先端の音楽を奏で始めたバンドでもあることが時代を並べてみるだけでわかるだろう。この前までの作品、「To Our Children's Children's Children」や「On the Threshold of a Dream」、「In Search of the Lost Chord」ではまだ60年代後半にも関わらずあの出来映えのプログレッシブロックを奏でていた、それはクリムゾンやイエスという代表格が出てくる以前の話で、既に人気も博していたのだから驚くばかり。ビートルズの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」が丁度良い比較になる程度ではないか?それくらいに優れたセンスの良い音楽集団だったワケだ。まぁ、背景ってのはそんなバンドでしてね、この「Question of Balance」では既にトータルコンセプトアルバムというアルバム一枚を物語で繋いだメロトロンの洪水という作風から脱却してて、重厚なコーラスポップバンドという感じではある。相変わらずメロトロンが活躍してフルートが軽やかな空気感を出しているしコーラスワークの美しさも完璧なのだが、どこか軽やかな雰囲気が漂っているのは組曲に束縛されていないからか。オープニングの「Question」なんてガットギターから始まるというもので、聴いた瞬間に「アルバム間違えた?」と思ったくらいだ。大概が仰々しいオープニングのテーマだったバンドだからさ。その時点で何かを吹っ切ったのかなっつう感触があった「Question of Balance」です。
アルバム通して暗さと言うか重々しさは影を潜め上昇気流に乗った気分でアルバムが聴けるのはムーディ・ブルースにしては珍しい感覚。一般的なプログレッシブロック黄金期には既にバンドの活動を休止していたが、歴史的にはプログレッシブロックの走りとしてのバンドとして功績を残し、後の世代から見ればほぼ同じレベルでプログレッシブバンドの中に挙げられることが多い、それくらいに完成されていたバンド。その技量と作品とバンドの存在感はもっともっと評価されて然るべきだとも思うんだが、ここは本人達の売る気の問題か。そういう純朴さも音に表れていてわかりやすいのかもしれない。最後の「Balance」の素晴らしいエンディングを聴いているとクイーンですらムーディ・ブルースを意識していたに違いないと思えるし、しかしムーディ・ブルースは既にコーラスワークを完成させていることでクイーンは敵わなかったとも言えるし、全てを表現し切っているバンドの一つな気がする。そして本作「Question of Balance」ではその姿が一番聴けるアルバムだという感じもあるね。




叙情的な音を奏でるバンドってのは割と日本のプログレファンには受ける音で、評価も高いようだ。世界的に見るとどうなのかはよくわかんないけど、ヨーロッパではウケが良い感じ。ただし、国によって仰々しさが異なるので一概に、でもないけど自分の好きな英国ではその加減が実に難しくて、叙情性だけじゃ全然評価されて来なかったし、かと言ってロックンロールでもそれだけじゃなかなか難しくて、何ともジャンル分け出来ないバンドってのが多数輩出されているのはそんな英国人特有のセンスによるものが大きいはずだ。そのセンスが面白いから英国ロックって錆びないんだが…。さて、そんな中でもこれほど一般の評価と実態がかけ離れているバンドもあんまりないんじゃないの?っていうのがムーディ・ブルース。まぁ、聞く人によりけりなんだけど普通はプログレッシブバンドという位置付けの認識が高いはず。あのジミー・ペイジをして「真のプログレッシブバンド」と言わせたのだから、ということだが英国人の言うプログレバンドと日本人が思うプログレバンドってのはやや趣が異なるのでそのまま受け入れるのはどうかと…。簡単に言えば英国人=ネイティブの人間が「プログレッシブ」と言うからには本当に「進化していく」という意味が強いだろうから、カテゴライズの意味ではなくて「発展、進化する」バンドという意味で挙げたんじゃないかと。まだカテゴライズとしてのプログレッシブロックなんて言葉が無かった頃の話だしね。一方の日本ではもちろんカテゴライズとしてのプログレッシブロック、なのでその辺の狭間に挟まれてしまったバンド、なのでは。ま、英国B級路線聴いてるとそんなバンドが多数あるんだけどその中でも思い切り市民権を得てしまった代表格とも捉えればわかりやすいのかもしれない。それにしては傑出しすぎているんだが。
「Question of Balance」は1970年にして既にバンドとしてのアルバムは6作目ともなり、圧倒的に音楽キャリアの長さが際立つバンドで、70年代を担うどころか60年代を走り抜けて正に最先端の音楽を奏で始めたバンドでもあることが時代を並べてみるだけでわかるだろう。この前までの作品、「To Our Children's Children's Children」や「On the Threshold of a Dream」、「In Search of the Lost Chord」ではまだ60年代後半にも関わらずあの出来映えのプログレッシブロックを奏でていた、それはクリムゾンやイエスという代表格が出てくる以前の話で、既に人気も博していたのだから驚くばかり。ビートルズの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」が丁度良い比較になる程度ではないか?それくらいに優れたセンスの良い音楽集団だったワケだ。まぁ、背景ってのはそんなバンドでしてね、この「Question of Balance」では既にトータルコンセプトアルバムというアルバム一枚を物語で繋いだメロトロンの洪水という作風から脱却してて、重厚なコーラスポップバンドという感じではある。相変わらずメロトロンが活躍してフルートが軽やかな空気感を出しているしコーラスワークの美しさも完璧なのだが、どこか軽やかな雰囲気が漂っているのは組曲に束縛されていないからか。オープニングの「Question」なんてガットギターから始まるというもので、聴いた瞬間に「アルバム間違えた?」と思ったくらいだ。大概が仰々しいオープニングのテーマだったバンドだからさ。その時点で何かを吹っ切ったのかなっつう感触があった「Question of Balance」です。
アルバム通して暗さと言うか重々しさは影を潜め上昇気流に乗った気分でアルバムが聴けるのはムーディ・ブルースにしては珍しい感覚。一般的なプログレッシブロック黄金期には既にバンドの活動を休止していたが、歴史的にはプログレッシブロックの走りとしてのバンドとして功績を残し、後の世代から見ればほぼ同じレベルでプログレッシブバンドの中に挙げられることが多い、それくらいに完成されていたバンド。その技量と作品とバンドの存在感はもっともっと評価されて然るべきだとも思うんだが、ここは本人達の売る気の問題か。そういう純朴さも音に表れていてわかりやすいのかもしれない。最後の「Balance」の素晴らしいエンディングを聴いているとクイーンですらムーディ・ブルースを意識していたに違いないと思えるし、しかしムーディ・ブルースは既にコーラスワークを完成させていることでクイーンは敵わなかったとも言えるし、全てを表現し切っているバンドの一つな気がする。そして本作「Question of Balance」ではその姿が一番聴けるアルバムだという感じもあるね。
- 関連記事
-
- Graeme Edge Band - Kick off Your Muddy Boots
- Moody Blues - A Question of Balance
- John Lodge & Justin Hayward - Blue Jays