Pink Floyd - Animals
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Pink Floyd - Animals (1977)

Animals (Remastered
Wish You Were Here (Deluxe Experience Version)
年が明けたが、大して環境的な変化もなくまた正月行事などはほとんどサボっているので日常と変わらない生活を淡々と過ごしているのがだ、やっぱり多少は正月行事ってのはある方が年のけじめにもなって良いんだろうなと思う今日この頃。まぁ、元来面倒臭がり屋なので特に何かする気にならないだけで、また古くからの家族的な親戚的な儀式もないし気楽なもんだ。よって正月からガンガンにロックな暮らしが普通に出来ているのは自分の趣味としてはよろしい。そんな新年の最初に何を聴こうかなと…まぁ厳密には昨晩の夜中に聴いてるので最初にってワケでもないけど、ちょいと頭の中に鳴っていたフレーズが気になったのでコイツを…。
1977年リリースのピンク・フロイドの傑作、そう、実は凄い傑作の「Animals」です。ここまでロックでギター弾いて挑戦的攻撃的な作品はピンク・フロイドには珍しい作品で、それがロジャー・ウォーターズの一存ではなくてバンドとして機能しているところが真骨頂な気がする作品。ここから先の作品ってロジャー・ウォーターズのワンマン体制によるバンドの演奏という側面が強くてちょいと趣が異なるんでね、そういう意味では名盤「Wish You Were Here」のアウトテイクと続編っつう位置付けでの「Animals」。もちろんひとつの物語を構成するように再構築しているので、「Wish You Were Here」との関係性なんて知らなくても存分に楽しめる作品に仕上がっている。自分もそうだが、特にず~っとピンク・フロイドを追いかけているファンじゃなくてもその迫力を感じられるものだ。特に歌詞に於いてはかなりそのメッセージを聞くことができて、主張している様子なのだが、自分は恥ずかしいことにほとんど歌詞をまともに見てもいないし、理解もしていないまま聴いている。うん、ロックとして、サウンドとして聴いているんで、元来ロジャー・ウォーターズが主張しているメッセージってのにはとんと無縁だったりするのだ。それでも「Animals」に収録されている各曲の迫力はロック好きな人間にはそのままアピールしてくる代物で、それはピンク・フロイドというバンドのパワーなのだろう、特にデイブ・ギルモアの楽曲そのものに成り切っているギターソロの美しさは見事なものだ。ツインギターによるハモりなどもきっちりと構成されていて二人羽織なのだろうが見事な美しさ。構築美という概念から聴いても「Animals」ほど美しい作品は他のピンク・フロイドの作品には聴かれないレベルの美しさにあるとも思う。もっとも「狂気」という名盤があるが故にそこまで言い切れないのだが…。
てなことで、歌詞やメッセージってのはアチコチのサイトなどで書かれているのでそんなのを見てもらうとしてですね、この音のかっこ良さですな。冒頭の「Pigs On The Wing (Part One)」と最後の「Pigs On The Wing (Part Two)」は物語の始まりとエピローグを象徴する軽いタッチのフォークソング、音的にはさほど意味はないのだが、何かが始まる、また終わったという感触を持たすのにはなるほどと思うアプローチで、無造作にフォークソングをアルバムに入れ込むのではなくて起承転結の1つとして持ってきているってことですね。その間にあるたった3曲のそれぞれの長さが時間を見ると凄い。「Dogs」が17分半、「Pigs (Three Different Ones)」が11分半、「Sheep」が10分半。こうして書くと聴くのに気合が要りそうなモンだが、その実展開が実に巧妙に作られているからかまるで飽きることなく、しかも覚えやすい展開と旋律で次々と織り成されているが故にそれぞれの曲が長さを感じることなく紡がれていく。「Dogs」のギターソロのフレーズの美しさが圧倒的に素晴らしく、恍惚として聴いてしまうレベルでこんなに長尺な曲にも関わらずしっかりとそのギターが曲を繋ぎまた分割してひとつの物語を進めてくれているみたいだ。続く「Pigs (Three Different Ones)」ではギターソロと言うよりも曲を成しているギターリフ…リフじゃないけどギターが曲をグイグイと引っ張ってる…もちろんベースラインの豊富さもあるんだけど、曲の流れをず~っと作っているギターがね、なかなかできないでしょう、こういう耐え忍ぶスタイルっつうのかさ、曲を考えているギルモアならではのギターの出し方、か。そして「Sheep」では強烈なビートに乗せた正にロックバンドなピンク・フロイドが聴けるのも割と珍しい。ここでのギルモアは曲の単調さを解消するためか効果音的なギターに徹しているところもサウンドブレインとして活躍しているのだろうか。もちろんソロについてもそのスタイルは見えるのだがここまでキレの良いカッティングが聴ける作品も多くはないだろう。見事にエッジの立ったスタイルがこの長尺な曲を単調にさせずに聴かせてくれている。
元々「Dogs」と「Sheep」は前作「Wish You Were Here」製作の時点で一度作られているし、その頃のライブでは実験的に演奏されていたのだから曲としては割と前の作品だ。それが「Animals」に収録されることも不思議はまるでなくて、これほどの作品をお蔵入りにすることもなかろうというのも当たり前。そのライブの音の一部は「炎(コレクターズ・エディション)」のライブトラックに入っている「You've Gotta to Be Crazy」で聴けるのも昨今のボーナストラックやデラックス盤のリリースによる恩恵ではある。昔はアングラものを手に入れて密やかに楽しんでいたものだが、今じゃほとんどがオープンなWebなんかでも聴けるので時代は変わるものだ。そんな風に進化した「Animals」の各曲にロジャー・ウォーターズの思想が相まって出来上がったものがこの完成形。ジャケットのバターシー発電所はThe Whoの「Quadrophenia」の写真集でも出てくるし、ロンドンでは結構目立つ有名な工業建築物でもあり、自分も実際に見に行ったけどヘンなの~って感想だった。ある意味ピンク・フロイドが巨大化したのはこのアルバム製作からと言う気もしているが、それがバンド崩壊への道でもあったのだろうか…。



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年が明けたが、大して環境的な変化もなくまた正月行事などはほとんどサボっているので日常と変わらない生活を淡々と過ごしているのがだ、やっぱり多少は正月行事ってのはある方が年のけじめにもなって良いんだろうなと思う今日この頃。まぁ、元来面倒臭がり屋なので特に何かする気にならないだけで、また古くからの家族的な親戚的な儀式もないし気楽なもんだ。よって正月からガンガンにロックな暮らしが普通に出来ているのは自分の趣味としてはよろしい。そんな新年の最初に何を聴こうかなと…まぁ厳密には昨晩の夜中に聴いてるので最初にってワケでもないけど、ちょいと頭の中に鳴っていたフレーズが気になったのでコイツを…。
1977年リリースのピンク・フロイドの傑作、そう、実は凄い傑作の「Animals」です。ここまでロックでギター弾いて挑戦的攻撃的な作品はピンク・フロイドには珍しい作品で、それがロジャー・ウォーターズの一存ではなくてバンドとして機能しているところが真骨頂な気がする作品。ここから先の作品ってロジャー・ウォーターズのワンマン体制によるバンドの演奏という側面が強くてちょいと趣が異なるんでね、そういう意味では名盤「Wish You Were Here」のアウトテイクと続編っつう位置付けでの「Animals」。もちろんひとつの物語を構成するように再構築しているので、「Wish You Were Here」との関係性なんて知らなくても存分に楽しめる作品に仕上がっている。自分もそうだが、特にず~っとピンク・フロイドを追いかけているファンじゃなくてもその迫力を感じられるものだ。特に歌詞に於いてはかなりそのメッセージを聞くことができて、主張している様子なのだが、自分は恥ずかしいことにほとんど歌詞をまともに見てもいないし、理解もしていないまま聴いている。うん、ロックとして、サウンドとして聴いているんで、元来ロジャー・ウォーターズが主張しているメッセージってのにはとんと無縁だったりするのだ。それでも「Animals」に収録されている各曲の迫力はロック好きな人間にはそのままアピールしてくる代物で、それはピンク・フロイドというバンドのパワーなのだろう、特にデイブ・ギルモアの楽曲そのものに成り切っているギターソロの美しさは見事なものだ。ツインギターによるハモりなどもきっちりと構成されていて二人羽織なのだろうが見事な美しさ。構築美という概念から聴いても「Animals」ほど美しい作品は他のピンク・フロイドの作品には聴かれないレベルの美しさにあるとも思う。もっとも「狂気」という名盤があるが故にそこまで言い切れないのだが…。
てなことで、歌詞やメッセージってのはアチコチのサイトなどで書かれているのでそんなのを見てもらうとしてですね、この音のかっこ良さですな。冒頭の「Pigs On The Wing (Part One)」と最後の「Pigs On The Wing (Part Two)」は物語の始まりとエピローグを象徴する軽いタッチのフォークソング、音的にはさほど意味はないのだが、何かが始まる、また終わったという感触を持たすのにはなるほどと思うアプローチで、無造作にフォークソングをアルバムに入れ込むのではなくて起承転結の1つとして持ってきているってことですね。その間にあるたった3曲のそれぞれの長さが時間を見ると凄い。「Dogs」が17分半、「Pigs (Three Different Ones)」が11分半、「Sheep」が10分半。こうして書くと聴くのに気合が要りそうなモンだが、その実展開が実に巧妙に作られているからかまるで飽きることなく、しかも覚えやすい展開と旋律で次々と織り成されているが故にそれぞれの曲が長さを感じることなく紡がれていく。「Dogs」のギターソロのフレーズの美しさが圧倒的に素晴らしく、恍惚として聴いてしまうレベルでこんなに長尺な曲にも関わらずしっかりとそのギターが曲を繋ぎまた分割してひとつの物語を進めてくれているみたいだ。続く「Pigs (Three Different Ones)」ではギターソロと言うよりも曲を成しているギターリフ…リフじゃないけどギターが曲をグイグイと引っ張ってる…もちろんベースラインの豊富さもあるんだけど、曲の流れをず~っと作っているギターがね、なかなかできないでしょう、こういう耐え忍ぶスタイルっつうのかさ、曲を考えているギルモアならではのギターの出し方、か。そして「Sheep」では強烈なビートに乗せた正にロックバンドなピンク・フロイドが聴けるのも割と珍しい。ここでのギルモアは曲の単調さを解消するためか効果音的なギターに徹しているところもサウンドブレインとして活躍しているのだろうか。もちろんソロについてもそのスタイルは見えるのだがここまでキレの良いカッティングが聴ける作品も多くはないだろう。見事にエッジの立ったスタイルがこの長尺な曲を単調にさせずに聴かせてくれている。
元々「Dogs」と「Sheep」は前作「Wish You Were Here」製作の時点で一度作られているし、その頃のライブでは実験的に演奏されていたのだから曲としては割と前の作品だ。それが「Animals」に収録されることも不思議はまるでなくて、これほどの作品をお蔵入りにすることもなかろうというのも当たり前。そのライブの音の一部は「炎(コレクターズ・エディション)」のライブトラックに入っている「You've Gotta to Be Crazy」で聴けるのも昨今のボーナストラックやデラックス盤のリリースによる恩恵ではある。昔はアングラものを手に入れて密やかに楽しんでいたものだが、今じゃほとんどがオープンなWebなんかでも聴けるので時代は変わるものだ。そんな風に進化した「Animals」の各曲にロジャー・ウォーターズの思想が相まって出来上がったものがこの完成形。ジャケットのバターシー発電所はThe Whoの「Quadrophenia」の写真集でも出てくるし、ロンドンでは結構目立つ有名な工業建築物でもあり、自分も実際に見に行ったけどヘンなの~って感想だった。ある意味ピンク・フロイドが巨大化したのはこのアルバム製作からと言う気もしているが、それがバンド崩壊への道でもあったのだろうか…。
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