Goblin - Roller

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 イタリアのバンドでサントラのプロと云えばゴブリンを於いて他にない。映画「サスペリア2」でのサントラがバンドとしてのアルバムデビューと云うことだが、既に超絶テクニック集団による完璧に作られたサウンドのため、同じ恐怖映画のテーマとして一躍有名になった「エクソシスト」とは異なり、恐怖感を煽るにはこういう曲調がベストと認識して作っている。もっとも「チューブラー・ベルズ」で用いられた同じ音を繰り返し使うミニマル演奏は恐怖心を煽るに相応しいと証明されているので、それっぽい作品にはほとんど使われているのは「エクソシスト」音楽担当チームの功罪だろう。

 そして1976年にはサントラではなく彼等のオリジナルアルバム「Roller」をリリースしているが、一般的に云われているほどプログレッシヴロックのサウンドではない。小曲が多くて時代背景もあるけど、ダラダラしたものは一切排除されているし、シャープな展開がそこかしこで行われていたり、ギターにしてもえらくヘヴィなサウンドで効果的なメロディーを聴かせてくれたりするし、結構ジャジーなフレーズが使われていたりと爽やかに楽しめるのがポイント。そしてイタリアらしいしつこさというものが皆無に等しく、英国的サウンドとして聴ける洗練された音というのも良い。サントラで鍛えられた情景と音楽の融合はこのオリジナルアルバムでもふんだんに発揮されていて、音を聴いているとなんとなく情景が目に浮かぶという面白さが本作の楽しみ方のひとつ。ミニマル的曲調ももちろん展開されていて、「チューブラー・ベルズ」に似た感触だなぁと思うのもあるし、なんとなくフワフワした感じの楽曲から次第に恐怖というものがイメージされてくるのもあったりする。またえらくポップだなぁっつうのもしっかりと提示されていたりして、なかなか聴きやすい作風は見事なモノ。

 この後1977年には「サスペリア」(1と2の順序が逆なんだけど、合ってるんだってさ)のサントラも担当しており、相変わらずミニマル曲調でのテーマ曲展開やら様々な楽器を用いての音楽作りとなっているみたい。1978年には再度オリジナルアルバム二作目をリリースしていて、初めてボーカルを採り入れたコンセプトアルバムに仕上げた野心作になっている。
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フレ
Posted byフレ

Comments 2

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papini  
なんか・・・

アタシ、ここんとこ
ず~っとフレさんとこにいるね(笑
ここでユーロ始まってから、皆勤賞だ。アタシ(笑

GOBLINはね、ここには触れられてないけど、4枚目が好きなんだ♪
Rollerも好きだけどね(笑

あ、GOBLINもウチでやってないなぁ・・・。

そのうちやろうっと♪

2006/05/28 (Sun) 01:13 | EDIT | REPLY |   
フレ  
そうだねぇ…

>papini嬢
マジに皆勤賞だ…、凄い(笑)。そりゃ、まぁ、少数リクエストに応えてのイタリアレビュー、結構疲れました(笑)。このバンドの4枚目ってオリジナルアルバム二作目かな?どっちでもよかったんだけど、ジャケが目立つので「Roller」で(笑)。書くとき待ってます♪

2006/05/28 (Sun) 22:59 | EDIT | REPLY |   

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