Praying Mantis - A Cry For The New World


ロックの持つ美しさや神々しさってのはメタルで表されることが多くて、大多数がメタルで表現されている気がする。普通のロック聴いてて美しい、って言葉は多分プログレの一部やフォークの一部なんかで使うくらいだろうし、神々しいってのはほとんどないよね。クラシックでは出てくる言葉だろうけど、なかなかロックの世界では使われにくい。シンフォニックオーケストラなんかを使っていると出てくるかもしれないけど、それでも神々しいとまではなかなか…。先日のNightwishの新作はこれからもひたすら聴いていくことになるだろうなと思いつつ、ウチのブログの習性としては日夜更新されているっていうのもあって日々新たなものを書き出していかなければならないので、実際によく聴いているものとブログで登場するものにはややギャップが生じるのだが、まぁ、一日のうちに一つのアルバムしか聴かないってこともないので、その辺は妙なバランスが出てくるのだな。当然ながら同系統のものばかり聴くこともなく、多種多様な音楽を一日の中で聴くことが多い。まぁ、それを全部ブログにすることもできないのでブログ内ではひとつのストーリーに沿って進めているんだけど、ホントはいくつもの岐路が毎日発生している。
さて、本題、っつうか元に戻って、今ではクサメロとかかなり認知されてひとつのジャンルを形成しているようだけど、そこまで行くとよく理解し切れていないので何となくナイトウィッシュの神々しい新作の後、もうちょいと親しみのある、そして哀愁のある人間っぽいものを聴きたいなってことで引っ張り出してきたのがPraying Mantisの「ア・クライ・フォー・ザ・ニュー・ワールド」。いや、Praying Mantisの全アルバムは何かと聴くことが多くて、その中でも何枚も好きな作品があるもん。あんまりウチのブログでも取り上げられてないんだけど…。なかなか続かないんだが夜散歩に行くことがあって、その時には普段のiPhoneじゃないMP3プレーヤーを持って行くんだよね。もう何年も前に入れた音楽がそのまま残ってるんで何が入ってるのかも毎回忘れている状態で、そこにプレイング・マンティスはほとんどの作品が入っててさ、他にも色々入ってるんだけど結局プレイング・マンティスが一番心地良いんでよく聴いてるって事情です。
メタルなんだけど、旋律重視の美しい音楽で、さらにコーラスワークも見事でツインギターや楽曲の持って行き方などどこを切っても他に類を見ない展開、更に繊細な英国のロックバンドな雰囲気も危うさがあって面白い。冒頭から最後に至るまでまるで隙のない怒涛のクサメロ展開でこんなに哀愁漂うメタルをまるでゴツさを思わせることなく聴かせてくれるのは珍しい。だからひたすら何回も聴いてても飽きることなく聴けるんだろうな。凝ってるしさ。この「ア・クライ・フォー・ザ・ニュー・ワールド」ってアルバムは1993年のリリースなのでメタルシーンからしたら低迷期なんだけど、プレイング・マンティスからしたら復帰して一番気合の入ってる時期のアルバムなので文句の一つも出ないくらい完璧な一枚。この前後のEP盤「オンリー・ザ・チルドレン・クライング」が更にまた最高の出来映えで、日本人これ嫌いな人多分いないんじゃない?って思う。こんだけ泣かせる歌をいくつも作り続けてくれるこの不遇なNWOBHMバンドはボーカルこそ安定しないものの本作「ア・クライ・フォー・ザ・ニュー・ワールド」でマンティス節をしっかりと知らしめて以降シーンにアルバムをリリースし続けてくれる。試しに聞いてみる価値がかなりあると思うけどな。
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