Roger Waters - When The Wind Blows
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Roger Waters - When The Wind Blows (1985)
![風が吹くとき デジタルリマスター版 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51UEu7DBR1L._SL160_.jpg)
When the Wind Blows Digital - EP
映画のサントラ…ロックファンにとってみるといくつもタイトルは思い付くものの、日常的な名盤になっているサントラアルバムなんてあるか?と。様々なアーティストが集って一曲づつ歌っていたり演奏していたりするので、アイテム的にはそこでしか聴けなかったり、アレンジが異なっていたりするなんてのもあったりするんだけど、総じて名盤という言われ方をする作品はまず見当たらない。そりゃまぁ、バンドの作品と違って先に題材があってそこに音を付けていくという芸術的発想とは逆の作り方をするんだからアイディアが秀逸なアーティストであればあるほど題材に囚われてしまって自己の発想力が抑制されてしまうんじゃなかろうかと。まぁ、そんなの気にしないで対応していける人もいるけど、バンド単位だと難しいようだ。フーとかフロイドとかは自分たちの作品がサントラという形になったし、まぁ、ザ・バンドとかもそうだけど、ホントに映画のサントラっつうとねぇ、いろいろあるけど名盤はあまりない。
そんな中、1985年にリリースされた英国の話題作ともなり、日本ではその内容から教育映画的視点ともなった「風が吹くとき」という作品。映画ももちろん見て欲しいと思うし…ましてや今の原発に敏感な日本ならばこの英国的風刺の富んだ「風が吹くとき」は身につまされる思いもあるだろうから、映画としても秀逸な作品だし、そんな教育的な側面も持つ映画にロックミュージシャンを使ったサントラというのも冒険だったことだろう。その映画の内容から、これまた見事なことにこの時点で核や放射能などに敏感なロジャー・ウォーターズを持ってきてサントラを製作させるなんつうのも見事なセンス。その甲斐あってか相当の気合とクォリティで…まぁ、ロジャーの作品に駄作や妥協作ってのはないのだが、「風が吹くとき」のサントラも見事にB面全部を使って世界を作り上げている。インスト中心なのだが、しっかりと映像が脳裏によぎるかのような音作りは見事な演出家と舌を巻く所だ。
一方のA面ではデヴィッド・ボウイがタイトル曲を歌い、クールにボウイ節で淡々とメッセージを歌い上げていく。ポップスター時代のボウイの割に70年代後期の雰囲気をしっかりと出したかなりクールな曲と詩とアレンジなのでどこかのベスト盤にも入っているとは思うが、珍しい一曲かもしれない。それでも知られているっつう曲かな。以降何故かスクィーズやこの頃のジェネシスによるエレクトリックポップながらもちょいとクールな曲が続き、個人的には興味深かったヒュー・コーンウェルの作品…、意外とポップにキャッチーにエレクトリックポップに攻めてきて、となるとコンセプトがそういう作品だったのかなとも思うのだが、ここまでキャッチーにできるのかと。次のポール・ハードキャッスルって全然知らなかったんだが、まぁ、同じような傾向の曲。多分そういう路線での統一感はあったんだろうし、そう考えるとボウイのタイトル曲が逆に浮いている…ってか秀逸すぎるのか。
そしてB面に入るといきなりグッと重くなる…そりゃロジャーの世界だから当たり前だがあまりにもカラーが違いすぎるくらいに重い(笑)。この人の曲はどうしてこんなに優しいのに重くてハートに触れてくるのだろう?名曲だらけ、と言っても過言ではないくらいに気合の入った作品ばかりが並んでて、いや、どれもこれもロジャー節なので目新しくはないんだが、それも含めてもう完全に自分の手法を打ち出してるし、こういうのが映画で流れたら見ている人も印象に残るだろうし。ちょいと手を出し切れていない人には絶対オススメのサントラという概念を超えた名作アルバム…っても自分がボウイとロジャーとも好きだからだろうが(笑)。

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映画のサントラ…ロックファンにとってみるといくつもタイトルは思い付くものの、日常的な名盤になっているサントラアルバムなんてあるか?と。様々なアーティストが集って一曲づつ歌っていたり演奏していたりするので、アイテム的にはそこでしか聴けなかったり、アレンジが異なっていたりするなんてのもあったりするんだけど、総じて名盤という言われ方をする作品はまず見当たらない。そりゃまぁ、バンドの作品と違って先に題材があってそこに音を付けていくという芸術的発想とは逆の作り方をするんだからアイディアが秀逸なアーティストであればあるほど題材に囚われてしまって自己の発想力が抑制されてしまうんじゃなかろうかと。まぁ、そんなの気にしないで対応していける人もいるけど、バンド単位だと難しいようだ。フーとかフロイドとかは自分たちの作品がサントラという形になったし、まぁ、ザ・バンドとかもそうだけど、ホントに映画のサントラっつうとねぇ、いろいろあるけど名盤はあまりない。
そんな中、1985年にリリースされた英国の話題作ともなり、日本ではその内容から教育映画的視点ともなった「風が吹くとき」という作品。映画ももちろん見て欲しいと思うし…ましてや今の原発に敏感な日本ならばこの英国的風刺の富んだ「風が吹くとき」は身につまされる思いもあるだろうから、映画としても秀逸な作品だし、そんな教育的な側面も持つ映画にロックミュージシャンを使ったサントラというのも冒険だったことだろう。その映画の内容から、これまた見事なことにこの時点で核や放射能などに敏感なロジャー・ウォーターズを持ってきてサントラを製作させるなんつうのも見事なセンス。その甲斐あってか相当の気合とクォリティで…まぁ、ロジャーの作品に駄作や妥協作ってのはないのだが、「風が吹くとき」のサントラも見事にB面全部を使って世界を作り上げている。インスト中心なのだが、しっかりと映像が脳裏によぎるかのような音作りは見事な演出家と舌を巻く所だ。
一方のA面ではデヴィッド・ボウイがタイトル曲を歌い、クールにボウイ節で淡々とメッセージを歌い上げていく。ポップスター時代のボウイの割に70年代後期の雰囲気をしっかりと出したかなりクールな曲と詩とアレンジなのでどこかのベスト盤にも入っているとは思うが、珍しい一曲かもしれない。それでも知られているっつう曲かな。以降何故かスクィーズやこの頃のジェネシスによるエレクトリックポップながらもちょいとクールな曲が続き、個人的には興味深かったヒュー・コーンウェルの作品…、意外とポップにキャッチーにエレクトリックポップに攻めてきて、となるとコンセプトがそういう作品だったのかなとも思うのだが、ここまでキャッチーにできるのかと。次のポール・ハードキャッスルって全然知らなかったんだが、まぁ、同じような傾向の曲。多分そういう路線での統一感はあったんだろうし、そう考えるとボウイのタイトル曲が逆に浮いている…ってか秀逸すぎるのか。
そしてB面に入るといきなりグッと重くなる…そりゃロジャーの世界だから当たり前だがあまりにもカラーが違いすぎるくらいに重い(笑)。この人の曲はどうしてこんなに優しいのに重くてハートに触れてくるのだろう?名曲だらけ、と言っても過言ではないくらいに気合の入った作品ばかりが並んでて、いや、どれもこれもロジャー節なので目新しくはないんだが、それも含めてもう完全に自分の手法を打ち出してるし、こういうのが映画で流れたら見ている人も印象に残るだろうし。ちょいと手を出し切れていない人には絶対オススメのサントラという概念を超えた名作アルバム…っても自分がボウイとロジャーとも好きだからだろうが(笑)。
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