Lou Reed & Metallica - Lulu

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Lou Reed & Metallica - Lulu (2011)
Lulu

 2009年のイベントでのコラボで驚くほどのセッションがあって、それはキンクスのレイ・デイヴィスとだったり、ルー・リードだったりしたんだが、まさか一番あり得ないと思っていたセッションでアルバムまで出来がってくるとは夢にも思わなかった。そりゃメタリカだってもう世界を制するメタルバンドだけど、音楽的にものすごく深いというワケじゃなくて、あくまでもメタル、メタリカのサウンドの中での評価だったと感じていた部分あるから、アーティスト的な面が強いルー・リードとのセッションなんてあり得ないだろ、と思っていたが…、やはりミュージシャンというのは面白い。メタリカはそれこそもう何十年もやってきて自分たちだけの音楽に飽きてきている感も強いので、こういう異種格闘技的なセッションには意欲的だったかも。対するルー・リードはと言えば、もともとがノイジーなアンダーグラウンドサウンドから始まっているワケだから感性が繊細でシビアな側面は当然持っているワケで、なるほどセッションの時に妙なフィーリングを感じたようだ。

 今回の「Lulu」というアルバムは元々がルー・リードの作品だったようだが、ちょっとパンチがないいつもの作品になりそうだった気配があったところに例のイベントでのメタリカとのコラボが入り、そのインスピレーションがアタマに引っ掛かっていたようで、新作の仕上げにメタリカに強力を依頼したとのこと。メタリカ側は面白そうだから、って事だろう。いや~、ルー・リード側からってのもこれまた驚いた。そんな経緯は情報としては把握しつつも果たしてどんな音が出てくるんだ?と興味津々で、結構待ち望んでいたんだよ、この「Lulu」を。

 んで、速攻で聴いた。単純に書いておこう。

 「スゲェ傑作!」
 「見事な異種格闘技戦!」
 「ヘンに燃えた!」

 キャッチコピー的に書くならば…

  「Luluは21世紀のヴェルヴェット・アンダーグラウンド・メタルだ。」

 うん、最高傑作は「Mistress Dread」という大作。何せアルバム2枚組で90分の大作なんだから一曲づつが長くてもおかしくないけど、この迫力にはぶっ飛んだ。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのノイズをメタリカが独自のスラッシュメタルで対応しているという姿で、ルー・リードの個性と迫力はそのままにメタリカの迫力と重さをしっかりと出したナイスな融合。この曲はオールドファンもメタリカファンも喜ぶんじゃないか。その前の「Pumpking Blood」もかなり面白い線行ってるんで長尺な曲と言えども十二分に楽しめるし…、そもそも冒頭からジェームズの叫び声とルー・リードの存在感とメタリカのバックが面白いくらいに化学反応を引き起こしていて深みを出してるし、両者とも見事にアーティスティック。驚いた。今の時代にこんだけの前衛的アーティストの作品がこれだけメジャーなフィールドで聴けるっつうのは両者のネームバリュー。しかし仕掛けたルー・リードもメタリカとの邂逅でアルバムを凄い高みまで持っていけたんじゃないだろうか?普通に作ってたらこんなに濃い作品にはならなかっただろうし、メタリカにしてもメタリカだけでこのアルバム出してたら酷評されたと思うし、そこは見事に両者のハマり具合が素晴らしい。メタリカバックでのヴェルヴェット・アンダーグラウンドのカバーとかやってみたら、かなり現代的で面白いんじゃないか?そんな話しているといいなぁ~♪



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フレ
Posted byフレ

Comments 6

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yuccalina  
ヘビメタは全然なのですが、、

実は昨日このアルバムの新聞広告を見て、すんごく気になってました。ヘビメタは食わず嫌いなとこがあり、ほとんどノーマークなんですが、やっぱLou Reedの名前が出てたら放っておけない!The View格好良いですねー!
2番目の動画はArethaとAnnie LennoxがそのままMetallicaと共演するのかと思っちゃいました。メンバーの名前すら知らないのですが、アゴヒゲのギターの人が、野生爆弾の川島みたいですね。ってか川島が真似してるんだろうな?確かバンドやってたし、、。

2011/11/03 (Thu) 19:02 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>yuccalinaさん

うん、ルー・リード…っつうかヴェルヴェット・アンダーグラウンド好きなら多分この作品は同じような衝撃をウケれると思います。VUでのバックのノイズみたいなのがメタリカの重いメタルになっている感じでボーカルとバックは別次元でプレイしているんでね、いや、ホント、新鮮でした、これ。

2011/11/03 (Thu) 22:34 | EDIT | REPLY |   
レインメーカー  
ルーも、メタリカもカッコいいです!!!

はじめまして
レインメーカーと申します。
(実は、このコメント"Lulu"を絶賛されている方のほかのブログとほとんど同じことを書きます)

元メタルキッズで、でもメタルはまだ好きな野郎です。
現在は洋邦、ロック、パンク、ヘヴィロック、メタル、ジャズ、クラシック、Hip-Hopなどなんでも雑食気味に聞いてます。
今、一番好きなバンドは、Pearl Jam と The Stone Rosesでしょうか。

本日、キング・オブ・パンクとキング・オブ・メタルのコラボを知り、驚愕しました。
でネット経由で何曲か試聴したんですが、普通にカッコイイですよね。
ヘヴィ、かつメタリック、かつアナーキーで。
印象としては、アナーキーだけでなく、アメリカ的な土臭さも漂っていてスゴイ、ごつごつとこられる音だなと。
メタリカとルーリードだけでなく、パティ・スミス、ジ・オールマン・ブラザーズバンド見たいな、アメリカンロック!!!の濃厚な要素が、これでもかと詰まっているような。
最近、倹約しているのですが、これは買わなきゃいけないかなと、ドギモ抜かれてます。

でも、ネットでもメタルファン(だと思う)の酷評ぶりにはあきれました。
ルー・リードやメタリカなんていう色眼鏡、いや色耳捨ててもっとまっさらな感覚で聞いてみなよと…

つくづく、メタルは好きだけどメタルファンは嫌いなんだよなと思いました…
メタルファンやめてよかったと。あ、好きなんだから別にファンはやめてませんか(^^♪

あー、視聴しただけでも興奮する!!!

2011/11/13 (Sun) 14:17 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>レインメーカーさん

大絶賛です、コレ♪
ルー・リードって芸術家ですわ、やっぱ。

2011/11/16 (Wed) 18:09 | EDIT | REPLY |   
Who?  

初こめんとです。
ほんっと久しぶりに鳥肌がたつほどの感動を受けて、Amazonとか見てたら、日本の評価はバラバラだし、
ならアメリカならもっとスケールがでかいし、真っ当に評価されてるんじゃないかと思ってみたら、日本よりよっぽど酷評されてるんですよね笑
このアルバム、2010年代でもかなりの名盤になると思うんですけどね~

2011/12/03 (Sat) 23:55 | EDIT | REPLY |   
フレ  
妙案コラボ!

これは人の評価がガラリと変わるでしょうね。
音として捉えると確かに名盤の部類に入ると自分も思います。
こんな音、なかったもん。

2011/12/06 (Tue) 17:44 | EDIT | REPLY |   

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