Motley Crue - Too Fast For Love


80年代初頭のアメリカメタルシーンって目立つために奇抜なことしてたのが多かった。今思えばそんなに奇抜でも無かったのだろうが、当時はすごい威圧感や存在感があったと思うバンドがいくつもあって面白かった。まずはルックスからっていうロックの基本を過激にしたらそうなったって事で、背景は英国のHMシーンのメジャーへの台頭があったからだ。ロックはいつでも英国からです♪いや、そんな話はともかく、全身レザーに身を纏ってこれぞヘヴィメタルと言わんばかりのジューダス・プリーストをモチーフにしたのか、モトリー・クルーというバンドが出てきたのが1981年、いや、目立ちました。何がって、ケバさもあるけどなんかガレージな雰囲気もあったしちょっと違った感じがした。
そんな彼らの最初のアルバム「Too Fast for Love」は当初インディーズでリリースされて、いずれメジャーからリリースされ直したと言うパターンで、そこまでの完成度を誇っていたと言えば聞こえは良いけど、実際はそこまでのモンじゃない。ただ、ちょいと前に英国ではパンクが出てきて、明らかにハードロックとパンクの攻撃性の両方から影響を受けているようなスタンスが生々しくてメジャーでもリリースされたんだろう。もっともその後売れたってのも大きいけど、この時点ではなかなかギャンブルだったんないか?セカンドの「Shout at the Devil」ですらちょっと不穏な感じだったしね。まさか今に至るまでのアメリカンエンターティンメントバンドになるなんて思いもしなかった。っつうかあんなに軽快なパーティR&Rバンドになるなんてねぇ…。今でもその違和感を感じるのは多分自分的にはこのファーストアルバム「Too Fast for Love」から聴いてたからだろう。ある意味ボン・ジョヴィと同じなんだよね、その身の売り方ってさ。
ま、そんなことはさておき「Too Fast for Love」は冒頭の「Live Wire」のリフからして思い切り安っぽいガレージサウンドなのは分かるが、勢いやとにかく攻めまくるぜ、みたいなところがよく分かるアルバムな。今にして思ってもライブで取り上げられる曲も多いし、それはバンド的にも気合入ってたから思い入れが強かったんだろう。コレと言った名曲があるワケでもないが、後のR&Rバンドに進む原点が本作にあるのはよく分かる。メタル的な音とR&Rサウンド、バラードチックな音、そして独特の歌声とノリを生かしたバンドのグルーブ、ここまでギターが目立たないのにメタルシーンに君臨していたのも見事。「Merry Go Round」と云う面白い曲もあるし。他にも確かにもっと洗練されてたら…って思う曲はきちんとライブでも取り上げてる曲。この時点でもモトリー・クルー節って既に出てて、だからこそファーストアルバムって面白い。
まぁ、USフェスティバルの映像であまりにもライブがヘタだったってのは言ってはいけない歴史のようだが…。
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