Island - Pictures

落ち着いた静かな味のある英国牧歌的トラッドフォークから急転直下、突如としてハード&インテリジェンスなサウンドが聴きたくなったので小耳に挟むことの多かったスイスのアイランドというバンドを聴くことに。バンド自体は1976年に解散しているみたいだが、唯一のアルバム…と云ってもメジャー配給ではなかったようなので再発も大変だったことだろうと推測されるのだが、解散後の1977年に「Pictures」
これがまたよく出来たアルバムで、時代遅れだったためにメジャー配給されなかったものの数年前だったら英国でもイタリアでも余裕でリリースできてそれなりに売れた音だろうなぁと思うくらいハイレベルのサウンドを奏でるバンド。オープニングはそのまま「Introduction」なんだけど、これがまた「これから何かが始まるぞ」的な音楽でダースベイダー登場、みたいに雰囲気をしっかり出したワクワクさせる音。たかが1分半くらいなんだけどゾクゾクしてくるね。そのオープニングに続くのが流れるような鍵盤の音が心地良いイントロで始まる「Zero」。もちろん変拍子、ドラムと鍵盤+ペダルベース、吹奏楽器もあるか…、まあ、音の洪水でよく練られているので絶対譜面がないと無理だろうと思われるんだけど、こういうバンドって実際譜面に起こすのかな?曲の構成の繋ぎとしてペダルベース一本になり雰囲気を変えるというトコロが少々プログレッシブ的ではなく組曲的というのか…、こういう音空間好きだけどね。で、続いての16分ものタイトル曲「Pictures」。チェンバーでリスナーを惹き付けておいてリフレイン、そしてまたしても「これから何かが始まるぞ」的な効果音から妙~な鍵盤に続いて驚くことに結構かわいい声した歌が入ってくるのだ。インストばっかかと思ってたので驚く瞬間だが、歌は上手くないなぁ。他の楽器が上手いだけ?しかし、侮ってはいけないのだ。この歌声=ボーカルがどんな効果を生むかと云うと…、「呪術的効果」。うん、これは巧い。ドラムのスネアの軽い音も結構好みでキメばっかりってのも男らしくて良い(笑)。
続いては打って変わって荘厳なピアノと繊細なピアノの音色で美しく奏でられる「Herold and King」。イントロと以降は切り離して考えた組曲として聴いた方が正解なんだろうけど、エラク凝ってる…、このバンド、アルバムの終局に向かえば向かうほど楽曲レベルや実験レベルが上がり、更に緊張感も増すし、怖いことにその恐怖感が煽られてくるんだよな。テンパってるっていうのか…、ね。この辺になってくるともうギターがないとかどうとかっていうのが全く気にならなくて、ただただ楽曲の凄まじさにハマり込んでいくのみって感じ。この時代から既にサンプリングによる反復効果を使用していたりするのでタダモノではない…そりゃそうなんだが(笑)。で、オーラスを飾る「Here And Now」…冒頭の「ジョワ~~~~~ン」からしてもう何かあるよ。聴いてみると聴いている側を叩きのめすに十分なコーラスワーク…ボイスっつうのかな、効果が抜群で、しかもフランジャーなのかレスリースピーカーなのかな、グルグルと回ったような鍵盤の音が中枢神経を刺激するし、音の洪水は相変わらずのテンションで繰り広げられるので疲れる、ひたすら疲れる。が、この曲の構成とリスナーをブチ壊す畳み掛けは凄い。更に現行入手可能なCDにはボーナストラックが付けられているんだけど、これが自主制作デモテープのようなチープな音なんだけど、23分以上あるんだよ、もちろん一曲で。いや、何が凄いって、この曲「Empty Bottles」っつうんだけど、コレが一番凄い。ブログ仲間のpapini嬢が徹底的に破壊されたってのはコレだ。多分。わかる。起承転結…いや、天地創造並みの構築美がある中で音の洪水による破壊力はまだまだ勢いづいているバンドの時期からするとかなりパワーのあるサウンドと展開…。
初めてこのバンドを表現するに当たっては多分マグマ
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