Bruce Springsteen - The Rising

0 Comments
Bruce Springsteen - The Rising (2011)
The Rising Born in the Usa

 早いものであれから丁度10年が経過したことでアチコチで様々な特集をしているし、そのおかげであの衝撃的な映画なんかは比較にならない映像を久々に見ることになったのだが、いやはや、凄まじい映像だった。今見ても衝撃的なことに変りはなく、日本の津波の映像も似たような恐怖感があるが、歴史的に語られていく映像なのだろう。あの時何してたっけなぁ…ってのが自分的な思い出で、別に普通だったんだけどさ、あまり人と話さなかったな、事件については。何か政治的だったり思想的な話になるから食い違うのもヤだったしね。まぁ、凄いなぁ、あれ、っていうくらいです。

 あの911から半年強で作り上げられたブルース・スプリングスティーンの「The Rising」という作品は、発売前からあのブルース・スプリングスティーンが911の事件を基にしたアルバムをリリース、との話は耳に入っていたし、その当時も聴いたんだけど、何せ自分的にはブルース・スプリングスティーンなのであまり真面目に聴けなかったんだよな、いや、好みの問題です。ただ、テーマがテーマなのでやっぱり何度か聴いたんだよね。もちとん歌詞をしっかりと熟読していかないとよくわからないし、よく読んでも直接的ではない表現が多いのでピンとくるものも多くなかったってのもあって、そうかなぁ~っていう感想が先に来ちゃったんだよね。音的にはさ、ブルース・スプリングスティーンらしい普通にロックな音だけど、確かに暗めな感じ…それでもEストリートバンドとの久々の共演ってことで話題だったようだが。本来ならもっと突き抜けて明るいR&Rだったのかもしれないから、やっぱりどよ~んとした雰囲気は演奏の中に落ちてきているみたいで…、音としてはやや聴き辛いものがある。

 徐々にネットを中心としてアチコチでこのアルバムが分析されたり解説されたり本人の弁もあったりして、何を書いているのか、何を歌っていたのかがわかってくると改めてその深さに驚いたものだ。「The Rising」ってアルバムは何となくのイメージでは「悲惨な目に遭ったアメリカ人よ、皆頑張ろうじゃないか」というメッセージを込めた作品だと思ってたんだよね。でも、実際は「アメリカ人よ、本当に戦争に向かっていいのか?もっと良い解決方法があるんじゃないのか?」とか「自分は今から自爆テロに行くんだ、これも辛い」というテロリスト側のものの見方なんてのもあって、単にアメリカという国の代表という歌ではなく、実はアメリカン人として、というかアメリカ人でも人の子として考えることがあるというようなメッセージでね、なかなか深かった。あの「Born in the Usa」でも勘違いされたままなブルース・スプリングスティーンだけど、「The Rising」でもそんなメッセージでね…、だからかな、めちゃくちゃ売れたってんじゃなかったと思うんだよね、これ。

 深いよなぁ、ブルース・スプリングスティーンの歌詞って。自分の目線、消防士の目線、被害者の目線、実行犯の目線など様々な視点での感情による歌詞、なかなか面白い取り組みだなって思う。ちょっと角度変えてみればそんなコンセプトアルバムとかあるんだろうけど、対象が対象だから深みを増すよね。

 さて、難しいこの世の中、世界に平和は来ないかもしれないけど、少なくとも日本周辺は平和でいてほしい。





関連記事
フレ
Posted byフレ

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply