The Albion Dance Band - The Prospect Before Us

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PROSPECT BEFORE US

 アシュレー・ハッチングスの探求道はフェアポート・コンヴェンション、スティーライ・スパン、そしてアルビオン・バンドという大きなバンドを残したことに十分に価値が反映されており、フェアポートにしろ、スティーライにしろ様々な形態にはなったもののしっかりと歴史に名を残すに相応しい活動を行っている。そしてもっともハッチングスが気楽に自由にやれていたバンドが実はアルビオン・バンドだったんだろう。シャーリー・コリンズとのパートナーシップは「No Roses」だけでなく以降も事ある毎に続けられているし、バンドそのものはアルビオン・カントリー・バンドやアルビオン・ダンス・バンドからアルビオン・バンドと名前がいくつか変わっていくが、根本的にやりたいこと自体にそれほど変化はない…と言うかバンド名通りのサウンドを狙って作っているワケで、バンドと云うよりもプロジェクト的にアルバムをリリースしているという感じ。

 中でも1973年制作となった…が、当時バンドが存続していない状態だったので後にリリースされて話題となったアルビオン・カントリー・バンド名義による「Battle of The Field」は正に英国的フォークサウンドの象徴で、どれを取っても焦った曲はなくしっかりと英国的なリズムと湿っぽさとアコースティック楽器によって構成されているし、やっぱ所々のフィドルの音だったり、フッと沸いて出てくるフォークギターの単音なんてのが印象に残る。この頃から英国に伝わるモリス・ダンスというダンス曲の音源化を意識していたハッチングスは本作で「Morris Medley: Mouresque/London Pride/So Selfish Runs the Hare/Maid Of」というモリス・ダンス曲を披露しており、この後の活躍のネタ元となるのだが、明らかに英国的なサウンドで益々英国の深さがにじみ出てくるという作品。普通に聴けばどれもラジオで流れているような落ち着いたポップス、大人のポップスと言った感じに聞こえる曲調ばかりだが、その実ハマってみるとひとつひとつの音が凄く気になる作品(笑)。

 その後1976年にアルビオン・ダンス・バンド名義で発表された「The Prospect Before Us」はその名の通り、先のモリス・ダンスを十分に吸収した後の作品になっていて、もう踊らずにはいられないっていう曲がいっぱい詰め込まれているので、素直にロック好きでノリの良いのがやっぱり聴きやすいってことならばこっちの方が良いんだろう。こういうノリもあるんだよって感じなので、オススメしておきたいね。アルバムとしての評価では先の「Battle of The Field」の方が良いと言われるけど「The Prospect Before Us」の方が軽快にノレる。アコーディオンが良いんだろうなぁ、きっと。アコースティック楽器というよりも古楽器をいっぱい使っているのでその辺が自然なのかな…、表現が難しいんだが。ただ、興味深いサウンドってことに変わりはないね。

 翌年リリースされた「Rise Up Like the Sun」はまた全然違うイメージで、言うならばアルビオン・ロックミックス・バンドって感じかな。また違う角度で書かないといけないかな、っていう複合性の高いサウンド。ん~、これはまた今度ちゃんと書こう。
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フレ
Posted byフレ

Comments 2

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nyarome007  

おお、アルビオン・バンドまでいきますか!! このあたりを紹介してくれる人は本当に少ないので、嬉しくてしょうがないです。私も「The Prospect Before Us」は、「興味深く」も、グルーヴィーなサウンドだと思うのです。そして、今聴きながら、phil pickettの凄さにあらためて感心したりして。しかし、フレさんはとことん深いなぁ・・・。

2006/05/15 (Mon) 00:29 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>nyarome007さん

いやぁ、さすがにレスが減りました(笑)。あんまり個人プレーヤー名を書かないで話を進めているのですけど、ハッチングスのこだわりを音にする人ってどんどん無名人になっていくんですよ…、多分独裁政治(笑)。でも70年前後まではとっても良いプレーヤーの集合で面白かった。問題作はまたいずれ(笑)。プログレ領域ですからねぇ。

2006/05/15 (Mon) 23:03 | EDIT | REPLY |   

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