King Crimson - Vrooom

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King Crimson - Vrooom (1994)
Vrooom スラック

 破壊的な気分です(笑)。故に破壊的な音を欲してます。意外と破壊的な音ってのは多くないので、何だろな、と考えてしまった。前衛的な破壊さはちょいと聴く気分じゃないので、メタル?う~ん、結構破壊的じゃないので…何だろ?って。そしたらふと思い当たったのが90年代のKing Crimson。まだまだ全然聴いたうちに入らないけど、この頃はリアルタイムで一応追いかけてたからそれなりには聴いててさ。70年代クリムゾンと比べちゃいかんけど80年代クリムゾンに比べりゃ全然最高さ。それどころか90年代クリムゾンは破壊的なメタリックさ加減によるかっこ良さがあって結構圧倒されたんです。ダブルトリオっつう編成も見事だったけど、音の硬質さが90年代を物語ってるかもしれん。

1990年代になって70年代のライブをまとめた「The Great Deceiver: Live 1973-1974」というボックスセットがリリースされて結構盛り上がってたんだな。そこへ新生クリムゾンの新録アルバムってことで80年代クリムゾンの嫌な音が一瞬横切ったけど、何となくトライしてみましょうかという感じで聴いたのが1994年にリリースされた一応EPという形式になっている「Vrooom」。これがまた最初から恐ろしくエキセントリックでメタリックで硬質でヘヴィなサウンドだったから驚いて、70年代クリムゾンのあの冷たさに更にメタリックさが加わって激しかった。もっともくだらない曲も入っていたりしたので全部が全部ベタ褒めじゃないんだが、少なくとも冒頭タイトル曲の迫力は感動的だった。以降はちょいと実験的と言うか方向性の模索ってのもある感じで、ビートやトライは良いんだけど、歌とかねぇ、効果的な音とかが余計。ただ、それも含めてクリムゾン的な音色ではあったんで、まずまずなんじゃないの?って感想だった。

 「Vrooom」の後そんなに時間を開けずにフルアルバム「スラック」がリリースされて、コイツがまた硬質で新たな世界観を聴かせてくれる作品だったので聴いたなぁ。その後のライブあたりまでは結構聴いた。いつしかどれもこれもどんどんとリリースするようになってフリッププロジェクトとか出てきてついていけなくなったんで聴かなくなってしまったけど。昔みたいにアルバム一枚で一年間楽しむってんだったらじっくりと何度も聴けるけど、音楽がどんどんと消費されていくものになってしまった象徴かも。そういえばこの90年代、ロック的にはほぼ死滅状態だったと言われるけど、その退廃さ加減の音がしっかりと「Vrooom」にも現れていて、改めてそういう時代だったんだななんて思う。もしかしたらフリップ卿が逆に時代に影響を受けたのかもしれないけど。



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フレ
Posted byフレ

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