Vashti Bunyan - Lookaftering

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Vashti Bunyan - Lookaftering (2005)
Lookaftering Just Another Diamond Day
Lookaftering - Vashti Bunyan Lookaftering Just Another Diamond Day - Vashti Bunyan Just Another Diamond Day

 ちょいとトラッドフォークの時が止まったような感覚に引き戻されたので書こう書こうと何年も思いながらもなかなか書き切れていなかった傑作を取り上げておこう。それも2005年にリリースされたものなので「そうなの?」って感じもあるかもしれないけれど、これがまたそんな時代にこの音か?と思うくらいに素朴で素のままの音世界感動的なまでに美しいんですよ。

 2005年リリースのVashti Bunyan唐突のセカンドアルバム「Lookaftering」です。セカンドったってさ、ファーストはもちろんあの1970年にリリースされた永遠の名作「Just Another Diamond Day」ですから、35年ぶりのセカンドアルバム「Lookaftering」ってことで、何を今更と…。正直言って「Just Another Diamond Day」の名盤さ加減からして、超えることはないだろうし、あの時代の空気感をパッケージした作品には適うまいと思ってたんだよね。当たり前だけど。それがさ、聴いてみて驚いたんです。2005年という時代にこんなにシンプルで70年のあの作品とまるで変わらないテイスト作風音色歌声でアルバム出して時を止めたかのように復活してきたって何事?って。それくらいに違和感のない新作で、紡ぎ上げられた作品、名盤です。

 うん、多分元々がアコギ一本と歌声で奏でられている音だからいつの時代でも録音に変化がないと言えばないのだろう。多分ギターの音が綺麗に録音できる程度で、それでも元楽器の音なんてそもそも昔から変わらないんだから録音される音もそれほど変化がないってことだ。だって、いじってない音なんだもん。その分周辺のダルシマーやリコーダーやなんやかんやと使われている音の響きなどを含めて総合的には新しい音世界にはなってるけど、オーバープロデュースすることなくあくまでも音の装飾程度に出てくるくらいなので、まるでVashti Bunyanの世界は変わらない。見事。ほっとするシーンをいつでも取り戻せる、そんな音です。

 昔からねぇ、このファーストの「Just Another Diamond Day」を見て長い間探していたんだよ。全然見ることなくってネットとか出てきて探しても全然なくて、見つからなくて、CDがあれこれ出てきてヘンなのまでリリースされるようになってからもなかなか出てこなくて、ようやくCDリリースされたら後はもう一気に紙ジャケとか出て、本人にも連絡が入ったんだろうから、それで今ならやりましょう、ってことで本人も盛り上がったのか、アルバム出して、更に日本公演までやってるんだもん。もう60過ぎたおばあちゃんらしいけど、全くそんなことを感じさせない声が見事。そんな風に復活してくれるアーテイストも多いけど、まさかVashti Bunyanが復活してくれるとはねぇ…。嬉しい限りでした。この後便乗商売的にリリースされた「サム・シングス・ジャスト・スティック・イン・ユア・マインド」も必聴作品♪

サム・シングス・ジャスト・スティック・イン・ユア・マインド






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フレ
Posted byフレ

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shika  


はじめまして、初めてコメントさせていただきます。
大学に入って、初めて洋楽を聴くようになりました。親は全く音楽に興味がないので
どこから聴いていいかわからず、とりあえずブログを探していてフレさんのこのブログにたどり着きました。
しかもなぜかvashti bunyanの記事(笑)
すっかりvashti bunyanにはまってしまい、CDも3枚即買いしました!
大学生になるまでdisk unionの存在すら知らなかった私がCDを…!(笑)
トラッドフォークの記事をよく読ませていただいてます。
毎日読ませていただいて、少しは周りの洋楽話についていけるようになりました(*^_^*)
これからもお世話になろうと思います!
ありがとうございます、毎日更新楽しみにしています。

2012/12/24 (Mon) 22:17 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>shikaさん

はじめまして。
しかし何でいきなりVashti Bunyan??いや、入り口は色々あるんだけどさ、面白いところから入ったな〜って。
トラッドなら歌詞の意味までハマり込んでいくと英国及び周辺の伝承文学や文化まで入り込めて更に面白くなっていきます。意外と人間の暗黒面を歌っていたりするのも興味深いしね、
音楽聴き始めならあちこちのものに惑わされず一枚一枚をじっくりと何度も聴いて深みを味わって次に進む方をオススメします。何枚も何タイトルもいろいろな人を聴いたからと言ってエラいもんじゃないですから。それよりもひとつづつの作品でしっかり愛を語れることが一番だと思います。自分はさておきながら(笑)。
これからも楽しんでください♪

2012/12/24 (Mon) 23:58 | EDIT | REPLY |   

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