The Rolling Stones - Out Of Our Heads


60年代のロックポップス関係のシングルやアルバムは実に混沌としていて情報をきちんと掌握するのが結構面倒。一旦把握してもここ最近のリマスター盤やボーナストラック盤、更にはデラックス盤を考慮すると一体何が何だか分からなくなってくる。特にThe Rolling Stonesの場合は当時からアルバムジャケットですら英国とアメリカで同じもので違うタイトルだったりするのもあって、まるで理解不能な状態だった。昔一度自分なりに整理したけど、やはりもう忘れてるし分からない。後追いで集めている時は、必ず順番通りに手に入れられるワケじゃないから聴いた順番も異なるし、やはり情報把握しかない。先日のようにCDで一気にリリースされる時は整理して出されるから分かりやすいのかもしれないが、今更また全部手に入れる事もないか。
そんな特性がもの凄く強い代表的な作品が英国オリジナルアルバムとしては3枚目、しかしアメリカだと4枚目になる「Out of Our Heads」。もちろんアメリカ盤「Out of Our Heads」と英国盤「アウト・オブ・アワ・ヘッズ」では収録曲も曲順も異なり、一体自分はどっちをよく聴いていたんだろう?と思ってしまった。ジャケットで覚えている限りではアメリカ盤だったと思う。後から思うとやや悔しい。英国盤で覚えていれば良かったのにな。しょうがない。なので自分的には「Out of Our Heads」はこのアルバムジャケットで、「December's Children」が路地のジャケット。
1965年のリリースだからまだまだ小僧の頃だけど、これもまた過度期な作品。お得意のR&Bのカバーが大半を占めるものの、最初期ほど無頓着に勢いを持って吹き込んだだけでもなく、それよりももっと演奏面に力を入れている感じ。そこにいくつかのオリジナル曲が入って、アメリカ盤では3曲目に「The Last Time」が登場してガラリと曲の質が変わる様相が聴ける。そういう意味ではアメリカ盤のこの編集はよろしくないだろ、と思うがアメリカ盤はそんなもんだ。同じように雰囲気の異質さを感じるのが「Satisfaction」。圧倒的にストーンズの個性が出てしまっていて、ある意味往年のR&Bの単調さとは打って変わってロックしたナンバーだから異質さ全開。この辺でミックもキースもブライアンも自身達の可能性に気づいていただろう。それでも大好きなR&Bへの敬意を表してアルバムにした心意気ってところ。もちろん面白い音です。
そうか、アメリカ盤の編集はオリジナル作品の「The Spider And The Fly 」、「One More Try」はイマイチパッとしないから最後にまとめて入れたのか。「Heart of Stone」も入れておけば良かったのに。なるほど、アメリカらしい編集だ、と気付く。だから故にアメリカ盤よりも遅れてリリースされた英国盤では当然ながらストーンズの意思が入っているのだろう。地味に聞こえてしまう作品だが、それは個性をあまりにも出さなかったが故のアルバム編集のためかもしれない。
- 関連記事
-
- Superheavy - Superheavy
- The Rolling Stones - Out Of Our Heads
- The Rolling Stones - Ladies & Gentleman