Jimi Hendrix - Jimi Plays Monterey



モンタレーの英雄と言えばこの人、ジミ・ヘンドリックス。本ブログ何回目の登場だろうか?今回はタイトル通り「Jimi Plays Monterey」
ご存じ1967年6月18日のフェスティバルに登場したジミだが、出番のことでThe Whoのピートとモメたことは周知の事実、ピートによればジミの後なんてとてもじゃないが太刀打ちできないから先にやらせろという素晴らしく男気のある発言だったらしい(笑)。ジミの方も楽器を破壊しまくるThe Whoの後ってのも分が悪いってことだったようだ。で、結果的にはコインで勝負してThe Whoが先にやることになったのだが、The Whoとジミは同じポリドールに所属するアーティストということでよく対バンすることになる。で、ジミはThe Whoに負けないステージをやるってことで、相当気合いを入れていたようだが、ビデオ「Jimi Plays Monterey」
ディランの名曲「Like A Rolling Stone」にしてもジミ的解釈の上で原曲に忠実にプレイしているが、やっぱり魂の入り方がディランのそれとは大きく異なる。同じイベントに参加していたマイク・ブルームフィールドは目の前でコレを聴いてどう思ったことだろう?
そしてカバー曲が続くが「Rock Me Baby」…もはやカバー曲とは思えないほどジミ流ロックに仕上がっていてお得意のスリーコードにブレイクを挟み、自由奔放にギターの音が空を駆けめぐるようなプレイを施し、且つリズム隊は手数の多いフレーズでしっかりと地を固めてプレイしているというアンサンブルの巧さが光る。ジミはと言えばほとんど「Rock Me Baby Rock Me All Night Long」以外の歌詞を歌わないで進めているってのもロックらしい。そして静かな曲として始められた「Hey Joe」だが、こんな曲でも沸々とジミの魂が伝わってくるし、映像では表情が完全に曲と一体化していてもう最高にかっこよい。うん。背中でギター弾いたりするアクションも観客の度肝を抜いたに違いない。「Can You See Me」は映像がなく音だけになるけど、激しくプレイしまくっていることは明らかできっとそのまま熱気ムンムンでやっているんだろうなぁという姿が目に浮かぶ。そして意外と知られていないが、優れた名曲として名高いハズの「The Wind Cries Mary」。凄く好きな曲なんだよね、これ。ギターの半音進行のフレージングが気持ち良くて。曲進行的には「Like A Rolling Stone」と何となく似ているのは疑いすぎ?ジミってこういう曲でのギターソロの最初の一音の使い方が上手くて、インパクト絶大。曲中のオブリギターも優しくて、激しいだけではないジミのプレイがよくわ分かる愛に溢れた演奏。
そして終盤、「Purple Haze」で更に盛り上げてステージを展開し、最後には挑発的なフィードバックから奏でられる「Wild Thing」が始まるが、このワイルドなノリはアメリカを侵攻するに相応しい決定曲で、腕全体でギターを愛撫する姿から歯でギターを弾くシーン、ストラトを振り回すアクション、左手を挙げたまま右手だけでソロを弾いてしまうシーンとどれを取ってもジミの破壊的側面が顕著に表れた素晴らしいステージングとなった。マーシャルアンプとギターを間に入れて交錯するシーンから最後の最後にはThe Whoに負けてたまるかとばかりにストラトにジッポのオイルをかけて燃やしてしまうシーンは永久に語り継がれるべき場面で、その恍惚とした姿はジミを神と呼ぶに相応しい一幕だろう。その後派手にノイズの嵐の中でギターを破壊してステージを去る場面まで、開いた口がふさがらない状態で映像を見てしまう。ナマで見ていた人はどれだけ衝撃的だったことだろう…、映像に映る観客の一部は正に信じられないと言った表情で呆然としているが、素直にそれ以外の反応は示せないだろう。素晴らしい。これぞ、ロックだ。
しかしこれだけの貴重な映像にもかかわらず今現在では廃盤状態で、CDは「Live at the Monterey Pop」
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