Doom - Complecated Mind

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Doom - Complecated Mind (1988)
Complicated Mind

 一方で実にシリアスな実験的精神を持ち合わせてて、アンダーグラウンドシーンで圧倒的に評判だったバンドがDoomだ。当時はなかなか音だけを聴くのが難しい時代で、ライブを見に行ければそれに越した事は無いだろうけど、なかなかそういう機会に巡り合わない。名前だけは聞いていたものの実際にどんな音を出すバンドなのかってのは全然聴く機会が無かった。勿体無かったなぁと今は思うけどしょうがない、そんなにたくさんのバンドをガキの小遣いから捻出して聴くのは無理だ。友達に持ってるか?と訊けるのもある程度メジャーなものレベルの話だからこういうマイナーなバンドについては自分で揃えるしかないもん。でも、そんなのタカが知れてるワケで、聴けなくて悔しい思いしたバンドもあればすっかり忘れてしまったバンドもある。その中でも後になって聴けたことが嬉しかったバンドのひとつがこのDoom。

 1988年にリリースされたメジャーセカンドアルバム「Complicated Mind」。もっともファーストアルバム「Killing Field...」も同年にリリースされていたので纏まった楽曲をメジャーリリース向けにレコーディングしたと思われるが、これがまたとんでもないテクニックで革新的でオルタナティブな姿勢とあらゆるサウンドのミックスという新境地を実践している独特の世界。Doomって三人のトリオ編成だけど、とてもとても…。逆にトリオでなけりゃこんなに息の合ったテクニカルな音はできなかったかも。しかもインディーズで当時まだ音楽性が認知されていない頃のメンバーでやり遂げているんだから凄い才能だ。一般のヘヴィメタルに加え、既にプログレッシブな変拍子や曲の流れに合わせた展開をしながらもテーマに戻りつつ圧倒的なパワーを叩きつけてくれるという唯一無二の存在。歌はハイトーンなどではなくしっかりとしたドスの利いた歌声でバックの音と噛み合った迫力あるもの、見事だ。単調さとは一切無縁の息を継がせぬ曲の展開の応酬とメロディの流れ。今でもここまでのサウンドが紡ぎ出せるバンドはいないだろうし、真似出来るもんでもない。それをこんなアングラで展開していた…、う~ん、当時聞いてても分かんなかっただろうと思うと後で聴けて良かったバンドかもしれない。

 ベース&ボーカルの諸田コウさんってホントにカリスマ的な人で、テクニックもハンパじゃなく巧かったしベースラインの組み方はジャズに影響されていたようだ。フレットレスベースでスラッシュともハードコアともプログレとも言えるベースサウンドを叩きつけて、ルックスも片側モヒカンで恐ろしく印象深い人だった。若くして亡くなってしまったので余計に伝説化している面もあるけど、今でもDoomを好きな信者は多いし多分増えている。聴いてみるとなるほどカリスマチックになるはずだってのは分かると思う。え?って思うサウンドだし。いや~、こういう音ってのは想像しなかったし今でも他ではあまり聴かないし、そんなのを日本のアングラなバンドが1988年の時点で既に作っていたってのが凄いよ。メタリカに負けないもん。



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フレ
Posted byフレ

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