David Bowie - Aladdin Sane




Amazon MP3 Aladdin Sane
1973年、時代はグラマラスなロックの方向を向いていた、にもかかわらずいち早くグラムロックの風雲児でもあったデヴィッド・ボウイはZiggyを殺した。この頃からDavid Bowieという人は常に最先端の先を走るカメレオンアーティストになったとも云えるのかな。ボウイさんのアルバムの中で一番語られているのは多分「ジギー・スターダスト」。そりゃもちろん傑作名盤ですけどね、その実翌年にリリースされたZiggyさんとの決別ともなった「Aladdin Sane」は作品の質もまるで申し分なく、もしかしたら「ジギー・スターダスト」よりも好まれる…、深い曲が多く入っているアルバムなんですよね、自分的には。
「Aladdin Sane」、象印マホービンからインスパイアされたと言われるこのヘンなアルバムジャケットの美しさ、正に宇宙的♪そして何よりも「ジギー・スターダスト」で鍛えられたバンドメンバーのまとまりを残しつつも更に飛躍させた作品として実に冷静でクールな音を出してきた。基本的にはR&Rではあるんだけど、歌が巧いというワケでもないボウイさんのアーティストの側面が際立っていて、コンポーザーとでも言うのか、空気をしっかりと出している作品。おかげでボウイのライブの中では結構「Aladdin Sane」からのチョイスが多いんだよ。いや~、ホントにね、凄い曲ばかり。それでいてアルバムとしては割と短時間で聴き終えてしまうので充実度が高い。
「Aladdin Sane」のコーラスとピアノの美しさってありゃしないし、どこか切羽詰った感じの強い「Drive In Saturday」なんかも美しい。後のソウルボウイで大きく変化していく「Panic In Detorit」、お茶目な感じのロック「Cracked Actor」、そして世紀の名曲じゃないかと思っているピアノの美しさと冷酷さ、そしてロックじゃない世界を融合していながらもポップスよりもメロディアスな涙の流れる「Time」、マーク・ボランを思い出す「The Prettiest Star」、そんな名曲を簡単に作り出せるにもかかわらず、大好きなR&Rへのオマージュなのか、The Rolling Stonesの「Let's Spened The NIght Together」を疾走感たっぷりにソリッドに載せていく。「Watch That Man」「The Jean Genie」はお得意のチープなR&Rで世界をバカにしている感じが良いのかも。最後の「Lady Grinning Soul」もまた美しく輝く一曲。捨て曲なし、捨て曲と言うならばストーンズのカバーだけど、捨てられないでしょ、それ(笑)。
こんなに才能溢れている時期で他のバンドやアーティストにも曲をあげたり、プロデュースしたり超多忙を極めていたみたいなんだよね。それでいてZIggyを抹殺して次なる自分のステップに踏み切ったという野心は凄いと思う。もっとも偉大なるアンダーグラウンドアーティストとも言われているので一つ所には留まらなかったのだろうが。最近はまるで音沙汰を聞かなくなったボウイさんももう60過ぎててそりゃそうか、と。旧譜は何度もデラックスにリリースされたりするんだがなぁ。そういえば「Aladdin Sane - 30th Anniversary Edition」も30周年記念盤ってのが出てたな。最近はそういうデラックス盤よりもオリジナルの方がやっぱり良いや~って思うことが多いんで結局あまり聴かないんだけど、レアなものはレアだから…。
ふとアマゾン見てたらTシャツまで売ってるんだね。なかなかかっこ良いじゃないですか(笑)。

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