


1967年6月16~18日、カリフォルニアのモンタレーで行われた多分世界で最初の大がかりなロックフェスティバルとなった「モンタレーポップフェスティバル」にはここのところ書き連ねてきたバンドがほぼ総出演しており、サイケデリックサウンド、ヒッピー文化、フラワームーヴメント、ドラッグ文化などが集約されたイベントとなり、その歴史に於ける一ページの意義は大変重要な、そして象徴的な祭典として永遠に語り継がれる財産となっているのである。
出演者にはジミヘン、ジャニス、ザ・フー、ジェファーソン、S&G、ママス&パパス、
キャンド・ヒート
、バターフィールドBB、エレクトリック・フラッグ、クイックシルバー、バッファロー、バーズ、そしてブッカーT&MGs、オーティス・レディング…。どれもこれもが名演と呼ばれるに相応しい演奏を行っていて、単独でライブアルバムがリリースすることができるのなら半数近くがリリースするんじゃない?それくらいに時代の空気を捉えたサウンドと映像が残されている。音だけならちょいと昔にリリースされた
4CD盤
が一番強烈で、ジャニスの出番は全部収録しているし、個人的に嬉しいのはバターフィールドも結構収録しているところか。バーズもそのまま入ってるしジェファーソンだってそうだ。オーティスはもちろん全曲収録に近いし、フーも全曲収録、ジミヘンも当然。だから凄く熱い編集盤で、もっとプッシュされていてもおかしくないCDなんだけどね、なぜかあまりプッシュされない。
…と思ったら
3枚組DVD
がリリースされて、これまた豪華な編集で発売されたので堪らん。映画バージョンはともかく(…と言っても永らくこの映画バージョンですら見れなかったのだが)、ディスク2では単発でリリースされていたジミヘンとオーティスの単体でのライブ映像をカップリングしたもので、衝撃的にかっちょいい。特にオーティスっていう人がどんなに凄いのかってのをまざまざと見せつけてくれる強烈な映像だね。これでオーティスはソウル界から一歩飛び出たファンを獲得することになる。で、問題はディスク3のお宝映像集。ここには映像では見ることのなかった正に宝石のような当時の映像が収められていて、動くマイク・ブルームフィールドや当時のバターフィールドってのが凄く嬉しい。ザ・フーに至ってはかなりの部分がこれで表面に出てきたことになり、彼等のライブの凄さが…、ジミヘンとインパクトを争った彼等のやり方が浮上することになったのだ。だからジミヘンはギターに火を点けるパフォーマンスを行い、ザ・フーに打ち勝ったのだった。ジャニスはまだまだ新人だったにも関わらず、とんでもなく激しいパフォーマンスを見せつけてくれたおかげで一気に時代の寵児となり、一方ではジェファーソンが王道を見せつけていた姿も印象的。
う~ん、やっぱりこの時代のこのイベントは果てしなく熱い。
ローラ・ニーロ
とか
タイニー・ティム
ってのもいてさ、今でも名前を聞く人ばかりが出演していたってのもさすが、って感じだしね。そういえばストーンズのブライアン・ジョーンズがジミヘンを紹介するんじゃなかったかな。イギリスでは知名度を上げていたジミヘンの凱旋帰国イベントってことでそんなコトをするってことになったらしい。で、バックステージをジミヘンとブライアンが二人で歩く姿を捉えた写真があってさ、これ、かっこいいんだよな。
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