New York Dolls - Dancing Backward in High Heels


奇しくも2011年にもなってからまさかハノイ・ロックスのマイケル・モンローの新作「センサリー・オーヴァードライヴ」と同じ時期にニューヨーク・ドールズの新作もリリースされるなんてことが起こり得るとは夢にも思わなかった。New York Dollsの後継バンドとも思えるHanoi Rocksという位置付けで、そのHanoi Rocksですら伝説のバンドになっていたのに再結成、そしてNew York Dollsも再結成、そこにはHanoi Rocksのベーシストだったサム・ヤッファが参加していると言う構図も意外性に富んでいて夢馳せたものだった。今回のNew York Dollsの新作「Dancing Backward in High Heels」には残念ながらサム・ヤッファは参加していなくて、Michael Monroeの新作には参加しているという面白い図式。何とも贅沢な掛け持ちだったものだ。
さて、そのNew York Dollsの「Dancing Backward in High Heels」だが、今回はかなり驚く感じの印象を受けた。どうにもR&R色からアコースティックと言うのかフォークと言うのかアメリカンな印象と言うのか、やや異なった雰囲気に聞こえたんだよね。ただ、アルバムを通して聞いているとやっぱりNew York Dollsの音か…、と言うよりもデヴィッド・ヨハンセンの声だなぁとつくづく思ってしまうのだが、どこかラモーンズと同じような曲調が多くて、ラモーンズ的なポップさとメロディアスさが印象的。だからと言ってR&R色がないワケじゃなくて、しっかりと軽快なR&Rしてる。でもそこはヨハンセン、さすがに毒気があるのだな。
New York Dollsって…、いいのか。ヨハンセンがDolls的なR&Rを繰り広げているという解釈もできるんだけど、しっかりとDollsの音ではあるな。そのバランスが不思議で、やや中途半端かもしれない。でも、聞いてるとやっぱカッコよい。その辺の良さはなかなか一般的じゃないんだろうな(笑)。ラモーンズに向かいたいのかなぁ…、なんて思ってしまう。ん?いや、凄い良作でパンクだよ、やっぱり。音の系統がどうあれ、New York Dollsってバンドは最高にR&Rでパンクなバンドだもん。ジャケットからしてイカしてるでしょ?
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