Free - Fire & Water

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さて、真打ちFreeの超名盤として名高い一枚。本ブログでコイツはまだ取り上げていなかったらしいのでここでの登場です。ロック名盤ガイドなんかでも必ず取り上げているだろうし、Freeの中でも多分代表作と言われることが多いはず。アルバムジャケットもFreeの代表写真と言っても良いくらいアチコチで目にするものだし、1970年の作品…すなわち41年前の作品としちゃあ、とんでもなくリアルに著名なアルバムだろうと思う。昨今のリマスター状況や再発などでいくつもの種類がリリースされているのでよくわからんのだが、自分的には圧倒的にA面4曲、B面3曲の計7曲なんですよ「Fire & Water」ってのは。
もちろんBBCライブや別テイクや別ミックスなんてのも面白いし、その方が楽しめるものもあるけど、それはあくまでもオリジナルの7曲があるからでして…、それだって冒頭の「Fire & Water」は英国ミックスと米国ミックスじゃ録音されて使われているチャンネルが違うんだからそもそもシングルバージョンってのも入れてったら結構なバージョンが存在しててね、ギターソロとか聴いてると顕著にわかるんで、自分が持っているものが米国バージョンなのか英国バージョンなのか知っておく方が賢明ですかね。大ヒットシングルの「Alright Now」だってシングルバージョンは全然違うし、それこそ山のようなバージョンが聴けるのだな、今じゃ。昔もそこそこあったけど、昨今の発掘状況は異常なくらいで、嬉しい悲鳴です。
「Fire & Water」は1970年にリリースされたFreeの三枚目のアルバムで、大ヒットを記録した一枚。ヒット曲の収録もあるけど、バンドとしてこんなに充実している時期をしっかりと記録しているってのもアルバムの良さに拍車をかけているんじゃない?何てったってPaul Kossoffのギターの艶やかなこと。ギターソロが聴ける曲全てでコソフの最高潮の泣きのギターが聴けるってなもんだ。ビブラートのキレイなこと。そしてなんともエモーショナルなフレーズの嵐で、ついつい引き込まれてしまうギターソロなんだよ。最近のギタリストにはこういう情熱がなかなか聞こえてこない気がする。比べちゃいかんけど。そしてアンディ・フレイザーの後ノリベースもここで絶頂を極める。ここまで音数少なく曲をタイトに保っていくというスタイルは間違いなくアンディ・フレイザーの仕業。サイモン・カークのドッシリドラムも後を押しているけど、このベースあってのリズム隊。その上でまだブルースをモノにしていない、だが自分のエモーションをきっちり歌い上げる技術は出来上がっているので丁度良いオリジナルなバランスでしつこくない熱唱ができるようになっているのだ。
ヒット曲以外では結構渋い曲が多いのも特徴的で、「Heavy Load」ではピアノがフューチャーされているし、「Oh I Wept」なんかでも渋い旋律が繰り出されている。「Remember」はいわゆるFreeらしい楽曲とも言える作品かな。ギターソロ好きだねぇ、これ。「Don't Say You Love Me」も悲しい盛り上がりを見せるFreeお得意の楽曲だけどいわゆるロックなFreeじゃなくて徐々に白熱していく、それも一人で白熱していく英国的な作品。これこそFree的♪ヒット曲3曲はもう言わずもがなの作品なので様々なバージョンを楽しめるボーナストラック付きってことで良いんじゃないかね。
ワイト島のライブが「フォーエヴァー [DVD]」に収録されているけど、これがまたとんでもないライブでさ。映像もあるからどんな雰囲気かは分かるけど、無茶苦茶Freeなんだわ、これ(笑)。音なら「Free Live」も同じ年のライブがあるから聴けるし、とにかくFreeと言うバンドの1970年ってのは充実しまくってて、この年の活動こそがFreeとも言えるくらいのアグレッシブな時期。翌1971年序盤くらいまでその勢いは続いて失墜…。ま、こんだけ魂使ってたらしょうがないかもしれないなぁなんて納得しちゃうもんね。
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