Camel - Moonmadness


プログレっていう定義は実に奥深い。カテゴライズされることにさほど意味はないけど、プログレってあまりにも幅広いから困る。ジャンルがわかりにくいロックは全部プログレ、とでも言わんばかりのカテゴライズだからさ。よくカテゴリは関係ない、自分が良いと思ったものを聴くのみ、っていう名言を聞くんだが、実際カテゴリ分けってのは必要なんだよ。自分の中でも、音を探すのにも。似た傾向のバンド探すときにも必要だしさ。感性だけで音を選べるほどの環境ってひたすら音楽を垂れ流しにしている番組を聴いてセレクトするってことでしょ?そりゃ無理だ。ある程度カテゴライズした中で進まないとね。ま、その辺は色々あるだろうけど。
1976年にリリースされたCamelの4枚目の作品「Moonmadness」。そうか、4枚目だったんだ、これ、って思った。ファンに間では最高傑作とも言われているみたいな素晴らしい作品のようだ。自分的には「Snow Goose」でCamel聴こうって思ったからやっぱり「Snow Goose」が一番で、その次がセカンドの「Mirage」なんだよね。だからこの「Moonmadness」ってって何回も聴いてないかも…、って思ったらそんなことなかったことに気づいた(笑)。あまり好みじゃなかったってだけだ。
好みの話は後ほどとして、4枚目にして既にこのやり尽くした感のある完成度。「Snow Goose」で見せた一つの絵巻物語から音を飛躍させたようなものか。実にドラマティックにメロディが鳴らされて展開していく独特の旋律を奏でるバンド。「Moonmadness」ではジャケットのアートワークの良さも際立っていて、音世界を覗かせてくれるのもウケが良い。ピーター・バーデンスのフワフワしたムーグやシンセ、アンディ・ラティマーの器用なギターの旋律、それらが見事に調和しているのが「Moonmadness」か。
個人的にはややこじんまりまとまりすぎていて、更にキレイ過ぎる音の流れがひっかからなくてどうも頭から抜けていってしまうのですよ。フュージョンじゃないんだけど、感覚はそれに近いくらいの軽さがある。プログレなのに聴きやすいと言うか、聞き流せてしまうほど上手いと言うべきか。映画やドラマやアニメのサントラ的に聞こえてしまうのでよろしくない。今回改めて聴いていると、やっぱりそのドラマティックさとか音の流れは見事だな~と感心するんですけど、感動はしないんですよ。多分キレイ過ぎちゃうから、かな。それも個性ですね。
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