Scars - Scars

ゲイリー・ムーアがクラプトンの代わりにクリームに入ってみたら?ってのがBBMだったとしたら、今度はゲイリー・ムーアがジミヘンになってみたら?っていう取り組みが2002年にリリースされたScarsというバンド名義でのアルバムによるギタープレイ&歌ってトコだ。いやいや、その実このアルバム存在ってのを全然知らなくて、今回初めて発見したんで大したことは書けないけど、ゲイリー・ムーアってこんな事もしてたのか…とちょっと驚いたのと嬉しかったのとあるかな。
2002年にリリースされたScarsというバンド名義での唯一のアルバム「Scars」。こちらもトリオ編成で、どんなキャリアのメンツなのかはよく知らないし、それなりにメジャーのバンドの出身者らしい…って書くといい加減だが、実際知らないバンドだしなぁ…。っていうトリオ編成ってのが既にジミヘンやりたがってるワケで、冒頭の「When The Sun Goes Down」からしてワウペダルでの「Voodoo Chile」紛いだし、以降もひたすらジミヘン的アプローチが続く。まぁ、散々聴いていれば自ずと出てくるようなギターフレーズと曲調ではあるけど、それよりも自分的にはこのギターの音が結構来たね。アナログなチューブアンプの歪み方なのか、今時の歪んだ音では出せない何とも言えない粒の粗いサウンドがよく研究されているなぁと。だから故にジミヘン的とも言われるのだろうし、多分本人も成り切ってて楽しかったんじゃないかな。だから覆面バンドという形態でリリースしたと勝手に推測。
そしてギタープレイも普段のゲイリー・ムーアよりも更に一掃ワイルド&ラフなプレイと繊細な音色という正にジミヘン的な「Rectify」なんてのもあるし、一方の「Stand Up」なんて曲じゃ、SRVやサラスみたいなジミヘンに影響を受けた連中からの影響をゲイリー・ムーアが受けて作ったみたいなトコも面白い。バラード系はもう、お得意の域に入っているから、さも当然って感じではある。作り方がこれもまたきちんと正しくジミヘン的ではあるものの、そこまでのレベルに辿り着かなかったのはちと残念。それでもこれまでのジミヘンフォロワーとは一線を画した圧倒的にプロの奏でるジミヘンフォローアルバムで、自分自身の個性もしっかりと出した見事なアルバム。これ、面白いわ。ただ、難点なのは何度も聴かないだろうな、ってトコか。
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