Skid Row - 34 Hours


1971年にゲイリー・ムーアがプロとして初めてシーンに出てきたバンドは言わずもがなのSkid Row。これがまた時代が時代なワケで、普通に英国B級ロックシーンを漁っていても出てくるバンドだし、HR/HMシーンからの後追いでも追いつくバンドなワケだ、今では。ただ、当時としちゃ、皆が皆、目立つために個性を発揮していて何が良いのかわからないまま好きに音楽を奏でていたのだ。それでもSkid Rowはアルバム二枚のリリースが残っているのだから結構期待されていたバンドだったと思う。CBSだし。それは多分当時17歳くらいの天才少年ギタリストがいたからということに尽きるのじゃないだろうか。
1971年リリースのSkid Rowのセカンドアルバム「34 Hours」。レコーディングがタイトル通りに34時間で終わったから、っていう話を聴いたことがあるが、Led Zeppelinのファーストアルバムが36時間と言われているし、それくらいの時間でのレコーディングってのは短い部類に入るのだろうか?それとも当時としては長い部類に入るのだろうか?なかなか判断しにくい時間の掛かり方ではあるが…。
それはともかく、Skid Rowの「34 Hours」はゲイリー・ムーアネタから進んでいるんですが、聴き所…と言うか勝手に耳が聴いてくるのは多分ベースだと思う。何せ滅茶苦茶ヘンに弾きまくっていて言うならばず~っとベースソロを弾いているようなもので、それもゴリゴリと耳に付く音のはっきりしたトーンでのソロなので凄く目立つ。しかもジャズともプログレとも云える複雑な…勝手な弾き方で、曲の構成が良い悪いと判断する以前にベースのラインが気になる。そこにゲイリー・ムーアのギターが絡むが、これがまたさすがに天才少年なだけあって曲毎に見事に合わせたギターを弾いているし、かと思えばかなり実験的なフレーズを試していたり、曲に合うギターを探しているような面すらある。恐ろしく前衛的な取り組みとも言えるし、それでも17歳の少年が一生懸命に自分のパートを担った結果としては普通のプロ顔負けです。そんな絡みが面白いバランスを奏でているのが「34 Hours」という作品。普通にHR/HMを期待して辿り着いた人には全く受け入れられないであろうアルバム(笑)。逆にこんな音に出会ってしまったことで70年代英国ロックの世界を探索する人はとことん楽しめる世界が待ってます(笑)。
- 関連記事
-
- BBM - Around the Next Dream
- Skid Row - 34 Hours
- G-Force - G-Force