Mahavishnu Orchestra - Inner Mounting Flame


ホントにエキサイティングなジャズロックってのはやっぱりフュージョンとか綺麗な音ではなくて、やっぱりゴリゴリとロックイズムを持った音なんじゃないかと自分的には思う次第でしてね…、えぇ、ここのトコロジャズロック系に流れていったのでちょろっとそんなのを聴いていたんですが、どうにもブログを書く気にならない…ってか書けるほど聴いていられないっつうのか、生理的な面でダメってのか、慣れてないから集中して聴けないってのかね、ペンが進まなかったんですよ。そんで、ちょっと方向性を変えて…と言うか、あ、そう言えばMahavishnu Orchestraがあるな、と思い付いたトコロ、これがまた大変エキサイティングな音でね、ジャズロックとかどっちゃでもいいや、これかっこ良い~♪
1971年…ん?もう40年前の音?になってしまったMahavishnu Orchestra…即ち今ではジョン・マクラフリンの在籍していたっていう言い方になるんだろうが、当時は多分ヤン・ハマーがビリー・コブハムと組んだと言う表現だったのかもしれないMahavishnu Orchestra。そんなメンツが組んで最初に発表した作品が「Inner Mounting Flame」。昔から有名だった「Birds of Fire」ってのは結構聴いていたんだけど、ファーストの「Inner Mounting Flame」は結構後になってから聴いたのかな、このインパクトを忘れていましたね。
「Inner Mounting Flame」の冒頭を飾る「Meeting of the Spirits」や「Noonward Race」ってのは正直言ってどんなバンドも敵わないであろうエキサイティングでテクニカルで、超絶なマジックが働いているぶっ飛びものの楽曲と演奏です。ロックとかジャズとかそんな事を言ってられる場合じゃないくらいに1970年代初頭の英国ロック界を象徴するかのような何でもありの音楽がただひたすら詰め込まれているというようなもの。ひたすらにエキサイティングという言葉を使うのはヴァイオリンの音色がヒステリックなまでにエキサイティングだから。もちろん美しい調べを聴かせてくれる曲なんかもあるけど、もうねぇ、凄い狂いまくってくれてて最高♪追随するかのようにヤン・ハマーの鍵盤やジョン・マクラフリンのヒステリックなギターが狂い鳴る。これがもう凄いのなんのって。息をつく間もなくひたすらに攻め立ててくるこの音世界、そして美しく変幻自在に曲を操っていく素晴らしさ。ドラムだって見事に自己主張しているしよく聴けばベースは全然違うことやってる、みたいなアンサンブルの高さが恐ろしいくらいに緻密に組み立てられている。これが偶然かどうかってのはこの後のセカンドアルバム「Birds of Fire」を聴いてみるとわかるが、実力で組み上げられている作品なのだ。ホントかよ?って言いたくなるくらいに完璧という言葉が似合う決定的な作品。今の時代にはもう出てこれないだろうな、こういう音は。でも、いるかもしれない。
1971年の音楽として出てきた頃は完全にプログレッシブなロックの音で、決してジャズのシーンからの音じゃない。だから英国のこの頃の音に紛れて出てきた鮮烈なプロ集団としてかなり多数のミュージシャンが注目したに違いないし、その中にはジェフ・ベックもいたってことだ。アメリカではサンタナなんかが気にしたんだろうし。そして本家本元の英国プログレ集団達が果たしてどう思ったのだろうか?特にKing Crimsonの音に酷似しているものもあるし、それどころか「You Know You Know」なんて曲は1972年になってKing Crimsonが奏でてきた音を既に実践しているじゃないかとも云える発展形…。違うのは計算されて作られているってことだが、出ている音にそれほどの違いはない。
「Inner Mounting Flame」はちょっと刺激に飢えているリスナの皆様には是非是非聴いてもらいたいこんなアンサンブルと音のあり方。あ、ポップス系大好きな人や歌モノ好きな人はちょっとキツイかも…歌なんて一言もないし、ポップさのカケラもないから(笑)。でも凄く引き込まれると思うよ。
- 関連記事
-
- Mahavishnu Orchestra - Between Nothingness & Eternity
- Mahavishnu Orchestra - Inner Mounting Flame
- John Mc Laughlin, Paco De Lucia, Al Di Meola - Friday Night In San Francisco