The Rolling Stones - Thier Satanic Majesties Request

ビートルズの「Sgt.Pepper's...」アルバムは各方面に影響をもたらし、その影響を受けたバンドの数々がこぞってサイケデリック色とコンセプト性を持たせたアルバムを制作することとなった。中でも当時双頭バンドとして祭り上げられていたストーンズの「Thier Satanic Majesties Request」
アルバム冒頭「魔王賛歌」から摩訶不思議なサウンドが鳴り響き、えらくキャッチーでポップな歌が始まるというもので、いわゆるストーンズらしさはほとんど見えてこない。もちろんそこかしこに散りばめられているが、今じゃもう誰も分からないと思う。見事に逆回転やら効果音やらあまり使われることのない楽器を持ち込んでいたり、もちろんインド系旋律もあり。これは今回初めてというワケじゃないが、ブライアン・ジョーンズがいた時のストーンズはカラフルで囚われることのないサウンドが魅力的だった。アーティストとしてのブライアンとロックンローラーのミックとキースの違いは大きい。そして、このアルバムが初めてのストーンズセルフプロデュース作品と云うからこれもまた面白くて、こんなのが最初から出来たら凄く自信ついただろう。
話戻すと、そんな事でアルバム全編に渡っていわゆるストーンズらしからぬ音作りばかりで面白く、もちろんブルースの影響は皆無に等しくてひたすらカラフルサウンドに徹している。「魔王賛歌(二部)」なんて何だよこれ?って曲、と言うかコラージュサウンドだ。その後のB面最初に配された「She's A Rainbow」がとてつもなく素敵な音色と曲で一番好きかな。当たり前と言えば当たり前だが、これのストリングスはZepのジョンジーがアレンジしているのを知ると、そういうのはやはり才能と運命なのかもと、面白さを感じる。「2000光年の彼方に」もライブで聞いてるから好きな曲だ。もっともアレンジが全然違うのでこういう雰囲気じゃなかったが、そういえばアナログ時代のアルバムではジャケットが3D仕様でリリースされていたのも面白くて、お値段もそこそこ高かった記憶がある。CDでは先日紙ジャケで初めて3D仕様がリリースされたらしいが、それもこれも含めてストーンズの全アルバム中で最も異色なアルバムだろう。
1967-68年頃は様々なバンドが皆サイケに染まってた時代で大物バンドと呼ばれている連中でも同じ波を受けているのが面白く、クリームやジミヘンも結局そこら辺から変わってきたってのあるから、それだけ「Sgt.Pepper's...」の影響力が凄かったって事だ。
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