Frank Zappa - Just Another Band From L.A.

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Frank Zappa - ジャスト・アナザー・バンド・フロム・LA (1971)
ジャスト・アナザー・バンド・フロム・LA フィルモア・ライヴ '71(紙ジャケット仕様)

 喜劇や悲劇などの表現手法としての演劇でも英国やヨーロッパのそれと米国のそれでは大きく異なる趣が見てとれる。ま、元々そういう歴史文化の違いがあるので明るく人を楽しませようというだけに特化した米国の演劇は大衆を相手にしたエンターティンメントとしてはどんどんと洗練されていったものだ。だからこそ今現在のアメリカンエンターティンメントの大作ってのは誰が見ても面白いとかスペクタルだったりとか、極端な感動だったりするワケだが、殊、音楽の世界…いや喜劇ロックの世界に於いては多分フランク・ザッパという奇人くらいしか米国人にはその精神を突き詰めた人はいないんじゃなかろうか?The TubesっつうB級バンドもあったが…。

 そのフランク・ザッパが最高に楽しんでいた、そしてキャラクター的にもコメディー精神たっぷりだった頃ってのは多分70~71年のフロー&エディが在籍していた頃じゃないかと。自分もこの頃が好きでして…、えぇ、もちろんザッパは歌詞カード付きの国内盤で大半の作品を揃えているんですけどね、歌詞カードや訳詞が付いていてもよくわからないという世界なので、ザッパを制するのはアメリカの文化をしっかりと理解しないといけないのだな。しかも表面的な文化じゃなくてもちろんアングラなちょっとお下劣な世界の文化をね、知らないとわからなんだよ、ホント。歌詞そのままの意味を捉えても深さがわからないからさ。訳詞はしっかりと注釈付きで書いてあるんだけど、それでもよくわからん(笑)。ただね、歌詞カード見て音とステージの様子を聴いていると何か凄く和気藹々と楽し気~にしているんだよね。だから聴いているとウキウキしてくる。

 1971年夏のライブを記録したこの超おふざけなステージの一部を切り出した「ジャスト・アナザー・バンド・フロム・LA」はその前の「フィルモア・ライヴ '71」と共にフロー&エディのコメディがたっぷりと聴ける傑作。LP時代はA面に「ビリー・ザ・マウンテン」だけでB面に4曲入ってたって代物で、その「ビリー・ザ・マウンテン」がこれまたホントにハイライトでして、24分あるんだけど、決してプログレみたいな大作じゃないから勘違いしないように(笑)。ひたすらコメディに合わせた音楽と展開が続くというもので、物語をステージで表現しながら演奏もしているというものだ。こういうアプローチはなかなかいないので説明しても理解し難いとは思うが…。要するに演劇喜劇をステージで音楽を演奏しながらバンドメンバーで劇を行いながら展開していくってなもんだ。ま、聴いてみてもらえればわかるしどこかで「Does Humor Belong in Music?」のビデオでも見てもらえれば更にわかるか(笑)。





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フレ
Posted byフレ

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