Queen - Live Killers




ライブ盤ってやっぱり録音するのが難しいんだろうな。今の時代なら別にそれぞれの楽器の音さえ録音出来ていれば何とかなるんだろうけど、70年代の場合はさすがに一発録音って勝負の意味もあっただろうし。昔はさ、一発録音ってライブをやる側のミュージシャンの問題と気迫なんじゃないか、とかやっぱりライブってのはかっちりやっていないことが多くてレコーディングとなったらライブが面白くなくなるんじゃないかとか思ってたけど、そんなのよりも録音する側の方が大変なんだろうな、って言う事に気が付いた(笑)。エンジニアとかそっちの方ね。その場でミックスして2chにする訳じゃないけどやっぱりある程度の音で録れていないとダメだろうしね。…って思ったのはクイーンの最初のライブアルバム「Live Killers」を聴いててさ、結構音がよろしくなくて聴きにくいなぁ~と久々に聴いてみて感じたからなんだけど。
1979年初頭のユーロツアーから4月には日本に来て二度目の来日公演を一ヶ月近くに渡って行って言ったクイーンの面々。そりゃまぁ日本では神話のように人気が出たワケですな。んでユーロツアーってのも1月2月の間みたいなのでこの辺のヤツが録音されていたんだな。そこからそれなりの基準で選別してライブアルバムにしたのが「Live Killers」。ところがこれがまたアナログの時はそんなに無茶苦茶気にならなかったんだけど今のクォリティで聴いてしまうとヤケに気になる音の悪さ…、悪いって言うよりもバランスとか録音とか聴き辛い感じの音でね、こんなんだっけ?と思ってしまった。ま、それはそれでしょうがないし、マルチテープでも残ってたらミックスし直したり出来るんじゃないかとか思うんだが、今までそういう風になってないってことはこれで限界なのかね?そもそも演奏的に気に入ってないライブだからあまり手を入れていないのかもしれんけど。メンバーにも不評らしいし(笑)。
此頃のクイーンって実際には多分2時間強のライブをやってたみたいなのでいくつか曲が抜けているのはよく知られているけど、大体ユーロツアーって実験的意味合いも大きいからセットが長かったりするんだよな。しかしおとなしいライブの音でこれがクイーンのライブの音なのかとやや疑問を持ってしまうし、ライブ盤だからどうなんだ、っていうのがあまり出ていない。言い換えればスタジオ盤を超えるほどのライブの勢いとか熱狂具合ってのがあまり見受けられない感じ。冒頭の「We Will Rock You」のスピードバージョンは心ときめくけど、そこからが落ち着いた良い演奏らしきものをチョイスしてあるみたいで、何か大人しい感じがしてしまう。気のせいかな…、昔から「Live Killers」ってあんまり何度も聴きこなしていないので実際にリアルで聴いていた人からしたら何事だ、って言われかねないが。でも、観客との掛け合いの姿とかは確かに凄いものがあるし、最後まで聴いてるとやっぱり感動的なライブになっているしね。
話題的には赤と緑のレコード盤でリリースされて、ライブの雰囲気をそのままジャケットに表していたから評判が結構良かったし、クイーンはここまで、って言う人も多い。以降はポップとソウルを視野に入れたクイーンになっていくので、初期の様式美を持ち合わせた集大成としては確かに「Live Killers」で出尽くしている感もあるね。だからこそもっと良質な音で迫力満点で聴きたかったんだけどさ、まぁ、あるだけマシか。決して演奏が悪いとかじゃありません。クイーン好きなので辛辣に希望を書いてるだけです(笑)。
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