


サイケデリックロックを世に知らしめた一枚として圧倒的に名高い名盤として君臨しているビートルズの
「Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band」
。まぁ、今更って気もするんだけど、やっぱ凄いわ。ビートルズのサイケ趣味は
「Revolver」
から顕著になっていたので…、と言うかそっちの方がモロって感じなんだけど、世間に与えた影響は相当大きかったんだろうと思う。普通は時勢の流れからバンドがいくつか出てきてシーンを形成するんだけど、ビートルズの場合はビートルズが時流を作ってしまうので、ここから始まったっていう言い方も過言じゃないんだろうな。
で、何が凄いんだろう?音のカラフルさならTomorrowや
The Move
だって負けてないし、ポップさだってそうだ。ホントにサイケな雰囲気だったら
The Nice
とかPink Floydだって相当のものだ。この
「Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band」
だけが突出しているのは何故?ビートルズの名前をハズして聴いた時にどんな点なんだろうか?エフェクトだって他にいくらでもサイケデリックなサウンドを出すバンドは存在しているしね。
多分、ホントにラリった世界を音で表現しているからなんだろう、と思う。
その才能があったんだろうなぁ。他のバンドの場合はその世界を一生懸命作ろうとして、カラフルなサウンドやエフェクトで効果を表現しているんだろうけど、このアルバムの場合は世界を創り上げていてその中にいるんだよな、多分。外から表現した音楽と中から表現した音楽の違い、なのかな。
シド・バレット
のソロアルバムも本当の狂気を中から作ると一見普通にしか聞こえないけど何か恐ろしく研ぎ澄まされた狂気を感じられるじゃない?それと一緒で、ドラッグ体験を中から表現している、そしてそれを技術的に才能的に音楽で表現できて、しかも楽器もエフェクトも効果音も音楽理論もよく知っているから生まれたLSDアルバムなんだろう。…あんまり分析したって意味ないんだけどね。
ビートルズを意識的に聴いた初期体験がこの
「Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band」
だった。ラジオで唐突に冒頭の「Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band」から「Lucy In The Sky With Diamonds」が流れてきたんだけど、えらくかっこよくってすぐにレコード探しに行ったなぁ。でもビートルズだからなぁ、と疑ってたんだよね。何せ教科書に出てくるようなバンドだったからロクなもんだと思ってなかったし(もちろん「Let It Be」のこと…)。でもジョンはそういう人じゃなかったから良かったけどさ(笑)。で、このアルバム聴くと「何これ?」って感じでトータルコンセプトアルバムって意味がよ~くわかる作品でさ。「Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise)」…「Reprise」だよ?こんな収録の仕方をしていたバンドを聴いたことなかったからこの持ってき方に結構感動したもん。しかも最後が「A Day In The Life」でしょ?途中の「Within You Without You」のモロにインドなサウンドも衝撃だったけど、「A Day In The Life」の感動的なことと言ったらありゃしない。素晴らしい音楽数あれどもこの曲の美しさに敵う曲はそう多くないって思ってるからさ。
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