


トゥモロウ
と言うバンドは実に英国的で、当時のサイケデリックロックシーンの中でも突出した、というかハイレベルなサイケ感を出していたバンドで、実に素晴らしいアルバム
「Tomorrow」
を発表している。もっとも今ではCD一枚に全ての楽曲を収めた超ボーナストラック収録のディスコグラフィー盤とも呼べるアイテムが簡単に入手できるから良い。オリジナルアルバムでは12曲だったのに今やCD一枚で25曲も入ってるんだからお得だよな。
で、今でもサイケのオムニバスなんかでは収録されていることの多い「My White Bicycle」を筆頭とする全編サイケ…、そうだなぁ、効果音の使い方とか逆回転とか、もちろんインド系のシタールチックな音とかたっぷりと入っていて、要するにそういう表現力というかアイディアが上手い。「My White Bicycle」はやっぱ素晴らしい出来映えで、音の定位が途中で渦巻くのも正にサイケだし、ベルの音やら何やらと意表を突くくらいの音が万華鏡のように表れてくるのでトリップするよね。基本的に軽快なリズムと軽いメロディーで淡々と進められるポップさが豊富で聴きやすいサイケなので英国的で良いねぇ。時代だ…。
後付けの説明にしかならないんだけど、このトゥモロウというバンドには後の
イエス
で有名になるスパニッシュギターの名手
スティーヴ・ハウ
がギターで参加しているんだけど、そんなのは全く片鱗も見られないところが面白い。もちろん音を効果的に鳴らすという役割では徹底しているのでそれも彼のセンスなのかもしれないけどね。あとは「
S.F.Sorrow
」から
プリティ・シングス
にドラムで参加することとなるサイケの達人、
トゥインク
もこのバンドからメジャーなキャリアがスタートしているよね。あぁ
ピンク・フェアリーズ
もサイケパンクの王道だしなぁ。でもこのバンドでは一応キース・ウェストがフューチャリングアーティストになっているってのが頼もしい。彼は早く才能を開花させすぎて、結局大いなるメジャーアーティストになれなかった人なのだ。でもこのアルバムのほとんどの曲はキース・ウェストが作曲しているワケで、バンドのアレンジ能力ももちろん、プロデュースもその筋のサイケマニアでは有名なマーク・ワッツなのでそりゃ~面白いぜよ。バンド各人の後の有名度よりもこの時のキース・ウェストとマーク・ワッツの才能の方が素晴らしいと言える傑作♪
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