Moody Blues - Concept Albums

3 Comments
童夢
 60年代、あらゆるバンドがシーンに台頭してきて独自のカラーを持ち出すことが生き残りの命運となっていたが、ムーディ・ブルースほど自身のバンドの方向性を変えたバンドもそうそう多くはない。デッカレーベルからデビューを果たしたビートバンドというグループから始まり、もちろんその頃の作品を好きな人もいるのだが、方向性模索の最中にデッカレーベルよりクラシックとロックの融合体バンドを持ちかけられて話に乗ったのがきっかけでビートバンドから一躍プログレッシブロックの籏出となった「Days of Future Passed」というオーケストラとの融合を果たしたロックバンドのアルバムをリリース。当時かなり画期的だったみたいで、相当ヒットしたらしい。アルバムの中味は「1日」というテーマを順に音楽化しているというコンセプトでなかなかユニーク。「サテンの夜」が良い曲とはとても思えないんだけど、それは好みか(笑)。

 で、それはともかくとしてここで自身のオリジナリティを築き上げたと認識したメンバーは7作目「Seventh Sojourn」に至るまでとにかくコンセプトアルバムを一貫してリリースし続けたのだ。そして面白いことにリスナー側としては先のセカンドアルバム「Days of Future Passed」から7作目「Seventh Sojourn」までのアルバムを全て通してひとつのムーディー・ブルースというトータルコンセプトアルバムじゃないかと思うようになっている。ま、要するに6年がかりで制作されたアルバムがそれぞれ繋がっているような感じで一大絵巻物語になっているっていう感じなわけだ。これは凄い。中でも6作目の「童夢」というアルバムは完成度の高さが評判になりかなりの傑作として取り上げられることが多い。個人的には3作目「失われたコードを求めて」というコンセプトが非常に気に入っていて、もちろんドラッグ体験によるそれぞれのイメージが音楽として表現されているのだろうけど、ストーリーの持ち込み方がやはり英国的で「指輪物語」に通じるモノがあるので非常にファンタジックに思えたトコロに魅力を覚えたね。このコンセプトは次作「夢幻」へも持ち越されていて、決してアメリカ人では作り得ない程内省的なサウンドが並べられている。

 ムーディーズのプログレ期の作品はどれも荘厳で重々しい空気感を持っていて一気に聴くのは大変ヘヴィな気分になるのだが、それぞれの歌詞を眺めながらどっぷりとハマれる時間があるならば喜びの空間を与えてくれるサウンドだ。CD時代になり音もクリアーになった今ならば更に楽しめるような気もするのでたまの休日に楽しんでみたいものだ…。

関連記事
フレ
Posted byフレ

Comments 3

There are no comments yet.
evergreen  
私は・・・

こんばんは、私は”サテンの夜”はいい曲だと思いますが・・・【笑】で、一番好きなアルバムは上の3枚の一番右です!ジャケットも好きです!何となく地の果てをイメージしますよね・・・確か一番評判悪い作品だと思いましたが(フレ式だと最終楽章ですが)、私はこれが好き。

2006/04/17 (Mon) 01:02 | EDIT | REPLY |   
ぷくちゃん  
たまには・・・

私のようなものでもコメント残せるような人、取り上げてくれて感謝です。ここまでの7枚は(ほぼ)全部好きです。

>・・・までのアルバムを全て通してひとつのムーディー・ブルースというトータルコンセプトアルバムじゃないかと思うようになっている。

ああ、なるほど。その後の彼らはポップ・バンドですものね。私もエヴァ姉と同じアルバム好きです。

2006/04/17 (Mon) 06:27 | EDIT | REPLY |   
フレ  
コメント感謝です♪

>evergreenさん
「サテンの夜」嫌いではないんですけど少々重っ苦しいっていうか、ね。ん。7枚目はやっぱ好きです。じゃなきゃジャケ取り上げてないんですが(笑)。一番評判悪いのかなぁ…、でもそういうの好きだからいいや(笑)。

>ぷくちゃん
まぁ、作る側も7枚目が最後みたいな面ありましたからねぇ。7つの鍵的な意味合いも狙ってたんじゃないかなぁ。あとね、彼等のソロ作品がこれも結構それっぽくて良いんですよ…。

2006/04/19 (Wed) 20:39 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply

Trackbacks 2

Click to send a trackback(FC2 User)
この記事へのトラックバック
この記事へのトラックバック