Jethro Tull - Thick As A Brick

12 Comments

 18世紀の農学者の名前から命名された英国斬っての不思議バンドの代表格ジェスロ・タル。そのサウンドは変化に変化を重ね、そして発展していく常に先進的な挑戦を進めていくバンドというのが事実なんだけど、反面なかなかファンを獲得しにくい面もあって、それぞれのアルバム毎にファンが付くというような形が彼等の面白さを物語っている。同じようにカメレオン的に変化していく人にデビッド・ボウイがいるが、メジャー路線のポップセンスを持ちながらのカメレオン的変化と、英国的創造型サウンドに徹した面の強いタルの場合ではそのあたりはやっぱり異なる。一般的にプログレッシブバンドと語られることの多いタルだが、実際のトコロは、彼等は唯我独尊の世界を持っていて、音楽家、なんだよな。

 60年代末期、ロックが混沌としてきた時にクリームが頭ひとつ抜けて時代の旗手となって今でも伝説化している。その後はZeppelinがその穴を埋めて70年代を制覇した、ってのが通説なんだけど、実はその隙間にジェスロ・タルがその栄光の座を仕留めていた時期があったのだ。それくらいにこのバンドの奏でるサウンドとインパクトには影響力があったのだが…。

 プログレッシブなサウンドだけではないタルだが、やはり人気が高くて個人的にも大変気に入っているのは「ジェラルドの汚れなき世界」「A Passion Play」かな。どちらもアルバム通して一曲(もちろんアナログ時代はA面B面で一曲づつというような分け方だが…)しか収録しておらず、そのドラマ性には心踊りする躍動感と音の繊細さが世界を創り上げていてあのフルートの響きが耳に残る強烈なリフレインとしてアルバムの印象を深めてくれる。「ジェラルドの汚れなき世界」は「文学促進創案協会が主催した詩のコンテストで優勝に輝いたジェラルド・ボストックという8歳の天才少年による社会批判的な詩をジェスロ・タルが楽曲化した一大傑作」ということらしいんだけど、正直言って歌詞の奥深さまで追求したことはない。今のところはサウンドだけで十分に楽しんでいるし、しっかりと英国的なアコースティックギターによる美しさも織り込まれていて、後に彼等のサウンドの核となる英国フォークの伝統は既に十分に聴ける面もある。そうそう、アルバム「Songs From the Wood」ではその英国トラッド・フォークを起点にした心温まるサウンドをアルバムで展開しているのでこいつも好きだな。

 翌年1973年にリリースされた「A Passion Play」は難解な作品と云われ、なかなか認知されにくい面も持っているんだけど、今のところ聴いていても直ぐに歌詞に反応できない日本人としては歌詞の内容が如何に難解であれどもサウンド面での印象の方が強いのだ(笑)。「ジェラルドの汚れなき世界」から更に綿密に構成された感のある「A Passion Play」も凄く好きだな…。歌詞はね、実は昔研究したんだけどさっぱりわからなくて挫折。でも音が良いから今でも十分楽しめる傑作。

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フレ
Posted byフレ

Comments 12

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いたち野郎  

俺もジェラルドとパッションがやはり代表作になるのかな…と思いますねー。タルはこれまたジャケットもいいんですよね。
本当はファーストを一番聴き込んでるんですけど、作風が違うんでここではスルーで(笑)

2006/04/16 (Sun) 22:37 | EDIT | REPLY |   
ocean  
TBありがとうございました

本当に理解不可能な歌詞ですよね~ 訳詞を読んでいても 余計にわからなくなっちゃって(笑
だから難しいこと考えずサウンド重視で楽しんでます♪

2006/04/16 (Sun) 23:53 | EDIT | REPLY |   
papini  
片足博士♪

やっぱりタルのサウンド、って言ったらこの辺だね、うん。
個人的にも大好きだし。
80年代前半、若干路線がおかしな方向に行った時期もあったけど(笑
「Thick as a brick」の歌詞自体は
そう難解でもないんだけど、「PASSION PLAY」はダメです。
一応、訳してみようかと思ったけど、
あれはムリ(笑
まあ、分からなくても音はいいんで
それだけでも楽しめるし、いっか、って感じです、アタシも(笑

>唯我独尊の世界持ってて音楽家
激しく同意(笑

2006/04/17 (Mon) 21:38 | EDIT | REPLY |   
ぷくちゃん  

タル!意外な事に聞いているぷくちゃんです。(まじかるタルルートの事ではない←馬鹿)

この辺のアルバム。全部好きです。

2006/04/18 (Tue) 20:23 | EDIT | REPLY |   
フレ  
コメントさんくすです!

>いたち野郎さん
ファースト…ですね。「アクアラング」とか色々あるんですけどねぇ、何か深みにハマるのはこの辺だったりするんです。長いようで短い曲なんで、それだけよく練られているってことでしょうね。タルの音楽性は深すぎます。

>oceanさん
同じです♪歌詞は歌詞、サウンドはサウンドですし、どっちかっつうとサウンド、になっちゃいますから(笑)。

>papini姫
いやぁ、papiniさんコレ大好きだからちょっと書くの気合い入っちゃいました(笑)。もっと深く書きたかったんですけど、キリがないのでサラリと…、し過ぎたかな。英語大丈夫な人でもやっぱりこの歌詞は難しいんですねぇ。

>ぷくちゃん
いや、意外でもないですよ♪ この辺実に英国的ですからねぇ~。

2006/04/19 (Wed) 20:36 | EDIT | REPLY |   
やわらかめの飯  

遅いコメント、申し訳ありません。

>ジェラルド・ボストックという8歳の天才少年による社会批判的な詩をジェスロ・タルが楽曲化した一大傑作..

これは、Ian Andersonのジョークという事らしいですよ。ジャケットの新聞はジョークの塊です。

2006/04/20 (Thu) 16:26 | EDIT | REPLY |   
コジ  
サウンド

難解な詩はプログレの特権でしょうか。まあ、あんまり詩を意識したことがないといおうかなんつうかむずかしいことを理解する能力が自分にはない(なさけない)からサウンドを楽しむだけで十分でしょう。しっかりとしたいい音だから。

2006/06/04 (Sun) 21:50 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>コジさん

洋楽ロックって歌詞はあとって感じありますからねぇ。自分もそうです。結構後にならないと歌詞は気にしないんで(笑)。音だけで聴かせるってやっぱ凄いですよね。

2006/06/04 (Sun) 21:59 | EDIT | REPLY |   
Seira.D  

コメント&TBありがとうございました。

2006/08/12 (Sat) 12:10 | EDIT | REPLY |   
ocean  

TBありがとうございました。こちらからもよろしくです。
以前もコメントしていたんですね<自分(笑
実は、これ以降のタルは聞いていないので『パッション・プレイ』も聞いてみようかな~と♪

2006/09/07 (Thu) 23:03 | EDIT | REPLY |   
zagan  
嗚呼

無理して書かなきゃ良かった。
さすがに良く書かれていらっしゃる。

2007/12/27 (Thu) 23:00 | EDIT | REPLY |   
フレ  
お?レスですっ!

>Seria.Dさん、oceanさん
よろしく~♪「パッション・プレイ」もなかなか楽しめます。歌詞わかるともっと楽しめますが…。

>zaganさん
いやいや…、お褒め頂き恐縮です。気ままに書いてるだけなので(笑)。zaganさんとこも楽しんでますよ~♪

2007/12/28 (Fri) 15:20 | EDIT | REPLY |   

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