Light Bringer - Midnight Circus


某ブログの主はある日突然にLight Bringerという日本のバンドにハマりまくり、ひたすらにあちこちで呟いていたり挙句恋に落ちたと告白する始末…、Light Bringerのボーカルが20歳そこそこのお姫様でして、倍位の年のお父さんが恋した、と言っている様からして冷たい視線ではあったものの、お父さんをそこまで想わせてしまうバンドってどんなん?ってのがあって(笑)。いや、ブログ上でも非常にポリシーとスタンスを持った意見を書いていたりして、それは音楽でも経済でもしっかりとしていたんで…、そんな人間が血迷うとは何事!?っていう興味が最初かも(笑)。
最初にね、ファーストフルアルバム「Tales of Almanac」を聴いたワケですよ。何となくバンドとかアルバムってのは最初から聴く方が良いってのがあったからかもしれない。「Tales of Almanac」自体はなるほど、こういう音を出すバンドなのか…、ポップでキャッチーなメタルでアニメ好きな女の子の歌なんだろうな。ただ、バックの音がとんでもなく凝ってて、テクニックも凄くて…っていうのはあった。最近のメタルってひたすらにアレンジされていて音の移動が早いんだよ。白玉伸ばしてっていうのがあんまりなくてひたすらコードが変わっていくとか鍵盤が上積みして曲の骨子を決めていくとかばっかりで目まぐるしいんだよね。ま、それでも軽快に聴かせていける明るさってのは見事だな、とは思った。しかし、大の大人を狂わせる程か?と疑問符。ん?と聞くとセカンドアルバム「Midnight Circus」限定の恋だとか…。なるほど…。
ってな前置きで聴いたLight Bringer=通称らぶり~、っていうバンドのセカンドアルバム「Midnight Circus」なんだが、そもそもこのバンドってアニオタでもある…、言い方を変えよう。日本が誇るアニメという芸術を描く事も得意でちょっと前から出てきているアニメとクサメロの融合を普通に受け止めて聴いていた世代の若者達のバンド、即ちアニメが既に世界文化として成り立っていた時代に、そしてクサメロも普通にアニメに使われていた頃の世代。更に、アイドルを歌謡曲で見て育つのとは違ってアニメの主題歌が異様にかっこよくて歌や音楽はそこから入ってくる世代…。要するに、従来の歌手という歌の歌い方がベースじゃなくて、アニメソングの歌が基本なのだろうと思う。知ってる人は知ってるけど、日本のアニメソングって昔から異常に歌が上手い人しか歌ってないし、それも独特の歌唱方法で歌われているので非常にアニメチックな歌、っていうのが存在していた。それでそのままメタルを歌っていると言うようなものだ。なのでそこら辺の歌手とは全然異質な歌唱力と歌唱方法。それがハマったのがLight Bringerかも。別に他にもいくらでもいるだろうけど、まぁ、そういう事だろう。
それくらい新しい文化と世代の背景を知っておかないと音だけを聴いた時には全く混乱する。もちろん自分も普通に聴いたから何でこんな歌でこんな声なんだ?え?それでこのアレンジ?ん~??って状態だったから。
「Midnight Circus」は多分相当の名盤。何十回聴いても飽きないくらい深さがあって、ボーカルのFuki嬢の突き抜けた歌唱力と歌い方は日本人らしいけど日本人の歌い方を逸脱した、多分アニメとバンドの力量からして世界に出ていけるバンドだろうと思う。ビジュアル系の側面もあるし、こういうバンドが日本の親善バンドになるのだろう。まぁ、フィンランドのLordiの例もあるから良いのだが、大いなる誤解を世界に与える事にはなるか。
最初から最後まで44分程度の「Midnight Circus」。無茶苦茶聴きやすいサイズが故に何回もリピートしてしまうアルバム。分かりやすく書けば音は最近の複雑なヘビメタだけど歌はホントに歌唱力のある歌がメロディアスに歌詞の世界も非常に興味深いテーマを扱った深い世界で、ポップでキャッチー。バックのメンバーの力量は半端じゃない。こういう曲って普通には出来ないだろうからいくつものパターンを作っていって組み立てたんだろうなぁとは思うけどよく出来てる。出来すぎてる。変拍子も普通に取り入れてるし。
「Midnight Circus」、凄いわ。こんだけ何回も聴くアルバムも久々。ルックスやバンドのスタンスを気にしないで音だけ聴いたら日本のバンドも捨てたもんじゃないって思うでしょ。何が良いのか今でもよく分からんが、とにかく良く聴いてるし飽きないし、凄く良い、っていう不思議な世界。
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