Gong - Expresso II

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Gong - Expresso 2 (1978)
Expresso 2 Gazeuse

 そもそも英国でSoft Machineを組んでサイケデリックの世界では名を馳せてPink Floydと双璧のバンドとしてUFOクラブの顔となっていた人間のひとりでもあるデヴィッド・アレンがSoft Machineでフランスに行ったら英国に戻してもらえなかったという嘘か真か、ほんとにそんなことあるのか?戦争中じゃないし、国籍がオーストラリア人だったから不法滞在していたが故の英国拒否と言うことだが、ならばフランスならいいのか?そんな基本的なところで不思議な逸話があるのだが、結局オーストラリア人が英国でバンドを組んでツアーでフランスに行ってそのままフランス人に帰化したってことなのだろうか?日本に来れるんだから今はビザの問題もクリアしているのだろうし、まぁ、英国との行き来もしているので随分前にその問題は解決したことだろう。そんな中途半端なことに気を取られているのだが、話の中心はそのデヴィッド・アレンじゃなくてゴングです。

 その歴史が実に複雑な変幻自在・国籍不明のロックバンド、ゴング。今回はPierre Moerlen's GONGとも云える1978年の作品「Expresso 2」あたりで…。その前の「Gazeuse」という作品が超絶で炸裂していた=ホールズワースの力によるトコロ多し、だったのでどこまでゴングというバンドの実力なのかよくわからない。毎回結構聴きごたえのある作品が続いているのは事実で、それが故に聴いてしまうんだけど、好みで言えば決して好みの作品ではないんだな、不思議なことに。それでも力作というか熱演というか、そういうのがわかるのとやっぱカンタベリー的な香りがいつでもするというのもある。でも、それも不思議で、この「Expresso 2」の頃が既にメンバー全員フランス人で、カンタベリーなんて行ったこともないんじゃないかっつうメンツなんだな。それでもデヴィッド・アレンの影響力がそのまま残っているのか、そんな香りすら感じる部分がある。ゲストを見てもホールズワースはともかくミック・テイラーなんてブルース→ストーンズなんだから別の世界だし、ダリル・ウェイが参加しているくらいで、ダリル・ウェイもクラシック上がりのバイオリニストなのでカンタベリー的ではないもん。面白いわ。

 ってなメンツを揃えて前作「Gazeuse」の勢いを再現…と意識したのだろうが、既に名を知らしめていたホールズワースもゲスト的に参加している程度…と言っても参加している曲のギターがこれまた執拗で流暢なプレイでして、聴き応えがあるのは事実なのだが、バンドよりもホールズワースだね、って感じ。曲のレベルは前作にはちと劣るか。それでもBGM的には結構良いので面白いし、「Expresso 2」はある意味Pierre Moerlen's GONGという音の構図が完成されてきた位置付けの作品。



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フレ
Posted byフレ

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