Sagrado Coracao Da Terra - Sagrado Coracao Da Terra

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Sagrado Coracao Da Terra - Sagrado Coracao Da Terra (1985)

Sagrado Coracao Da Terra Flecha

 叙情性の賜物から地球への愛へとテーマが大きく進化してしまうくらいにスケールの大きな音世界を聴かせてくれたSagrado Coracao Da Terraというバンド…、何とブラジル産のバンドでしかも最も有名な作品である「Sagrado Coracao Da Terra」は1985年にリリースされた時代錯誤も甚だしいくらいのリリースだ。もちろん1985年当時こんなのを聴いてはいなかったので後追いなんだが、この頃ってフュージョンからワールドミュージックへの進化が割と流行っていて、冨田勲や喜多郎なんかも出てきてたから世界的に壮大なシンセサウンドによる音って流行ってたのかもしれないな…。

 そんな一環で出てきたとは思えないんだが、後にレコード屋でバイトした時に中古で持ち込まれたことがあって、店長が「う~ん、ブラジルの香りがする~」ってレコードの盤面の匂いを嗅いでいたのが今でも記憶に残っている。それくらいブラジル盤ってのは匂いが特殊でして、確かに独特の香りを放っているのであった…、ってそういう話ではなくてですね、うん、音の話です(笑)。ちなみにその時周辺にいた人間は皆でブラジル盤の香りを楽しんでました…。

 そんな背景はともかくながら、Sagrado Coracao Da Terraというバンド自体は決してプログレ界を狙った訳ではなく、手持ちの技術と楽器で壮大な音楽を奏でただけなのだろう、それがここまで壮大なシンフォニックサウンドでプログレ畑の人間が飛びつきたくなるような美しさをも持っていたというのが実情か。そんな音にまで食指を伸ばしていたプログレファンの人間も凄いが、Sagrado Coracao Da Terraの出している音が面白い。変拍子とかメロトロンとかじゃなくて綺麗なシンセによる環境音楽的な世界観。コーラスワークやバイオリンやピアノ…そんな音がひとつひとつ美しく研ぎ澄まされた音色に進化して自然な形での盛り上がり方が特徴的。作り手による意図を感じることなく、自然なままに音が盛り上がっていくのでギクシャクしない…、これは凄いことだろう。全くロマンティストな世界を聞くことの出来る不思議なアルバム。




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フレ
Posted byフレ

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kei  

ブラジルのバンドは数えるほどしか聴いたことがありませんが、みんなこのような音楽性を指向していますね。
何かブラジルのポピュラー音楽会の一潮流としてこういうのがあるということなのですが。

リーダーのMarcus Vianaは確かクラシックより先にロックの分野で活躍し始めたヴァイオリニストだと記憶しているのですが、経歴的にはちょっと複雑すぎて整理は難しいですね。
Yesからかなり影響を受けてプログレを指向し始めたという話もあるようなので、そういう部分と音楽一家の一員としての素養が混じり合ってこういう方向に進んだのでしょう。

Sagradoを初めて聴いたときは演奏力の卓越していることに驚きました。
特にヴァイオリンとキーボードの絡みは目を見張るものがありました。
それと、これを最初に発掘したのが日本のレーベルなのは面白いですね。

2010/08/24 (Tue) 01:41 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>keiさん

ブラジルのバンドってあまり聴いたことなくて、ボサノバとかしか聴かないので不思議でした。大らかというのかね。日本のレーベルはこういうテクニック集団を見つけるの上手いですよ、ホントに。ユーロって正にそんなのの塊で、基本的に日本人と相性良いと思いますもん。ユーロ圏。

2010/08/28 (Sat) 08:30 | EDIT | REPLY |   

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