I Pooh - Parsifal

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I Pooh - Parsifal (1973)

Parsifal Alessandra

 爽やかなユーロロックの代表的なバンドと言えばもちろんI Poohでしょう。活動歴は1966年のポップスしかなかった時代から始まり、そのポップスの時代を生き抜いて70年代に入っているんだから英国で言えばMoody BluesとかProcol Harumみたいなもんか。だからこそ、この70年代でのプログレッシブな試みに果敢に挑戦できたんだろう。だって、生き抜いた自信も実力もあるワケだからね。

 I Poohの5作目となるアルバム「Parsifal」、1973年リリースの傑作の誉れ高い。この前の「ミラノの映像」と後の「ロマン組曲」の三部作は日本でも人気が高くてレコード屋でユーロロックのコーナー行くと必ずどれかあったもんな。そりゃ覚えてしまうぜよ、ジャケだけは。ただ、中味を聴くのはもう少し時間がかかったけどね。そんで、聴いてみるとだね、なんてポップで軽快で爽やかなオーケストレーションに乗せられたコーラスワーク…ボーカルグループなのだろう、と思うくらいに軽やかで引っ掛かることなく音が流れていきます。イタリアンのコテコテは皆無で素朴な旋律と美しいメロディラインとコーラスで基本的に流れて行きながらオーケストラが盛り上げて叙情性を高めるというような構図。だから聴きやすいし、多分ユーロロックという定義で括ることが間違っているような気がするバンド。

 「Parsifal」、普通なら何も引っ掛かることないんだけど、I Poohの場合はそうもいかなくて…、やっぱりユーロピアンの世界観があるので楽しめたりします。楽しむと言っても叙情性に身を任せて心地良く戯れるというような音世界ですが。落ち着いて身を任せられるのは結構幸せ…、しかもイタリア語なのにね。もっと起伏に富んだイタリアンロックを想像してたから最初に聴いた時はちょっと肩透かし喰らったもん。でも、この叙情的な展開とドラマティックさ加減こそはI Poohならではのワザで、まるで何かの映画を見ているかのような気分に浸れます♪



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フレ
Posted byフレ

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