Locanda Delle Fate - Forse Le Lucciole Non Si amano piu

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Locanda Delle Fate - Forse Le Lucciole Non Si amano piu (1977)

妖精+2(紙ジャケット仕様)
Homo Homo homini lupus

 日本に於いて人気の高いプログレッシブバンド…というかイタリアンロックバンドというのがあって、傾向的にはやはり演歌チックなもの…すなわち叙情的でドラマティックで繊細で綺麗で泣きが入っているような巻き舌ものだ。ムゼオ・ローゼンバッハとかニュー・トロルスとかマクソフォーネとかはこの部類に入ってくるんだろうし、ここ最近取り上げているような部類も大半はそんなバンドだ。そうじゃなきゃ再発してこんなに文化的に残されていないだろう。本国イタリアでの70年代って言う中にはこの手のバンドはほとんど入らないらしいし、それは日本でも同じかもしれないが。

 ロカンダ・デッレ・ファーテというバンドの超有名盤「妖精+2(紙ジャケット仕様)」です。アナログ時代のダブルジャケットではもちろんこのジャケットが見開きで美しく広がりますが、ジャケットのイメージも音の世界も全てが美しくイタリアンしすぎない程度に収められている。それは多分に雫の滴るようなピアノの旋律が増長しているのですけどね、唯一「ん?」ってのが歌声。もっと美しい声の主ならば…とも思うのだが、まぁ、こんくらい暑苦しくないとイタリアンにならないのかな。巻き舌で熱唱で、どう聴いてもイタリアの歌い方。ただ、バックの音がよく出来てるので歌声のアンバランスさがちょっと不思議。もっと繊細でも良いんじゃないかね、なんて気を使ってしまうが、作品としてはそういうものだ。全体が暑苦しくなりすぎないのは多分メロトロンが鳴りっぱなしじゃないからだろうと言うのと、ある種洗練された1977年のリリースによるものという気がする。歌メロはそれでも結構キャッチーな部分もあるしね。

 プログレ聴いてユーロに手を出そう、てなタイミングの時期に初めて聴いたので、聴いてからは古いな…。でも、何度も何度もじっくり聴いたというものじゃなくて、気分がユーロの時に聴くくらいだった。それはあまりにもさっぱりした印象だったから、もっとこってりしたのを聴きたくなった場合にはスルーしてしまったからだろう。ただ、こうして夏の暑い日に聴いていると…、丁度良い気候感かもしれない。



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フレ
Posted byフレ

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kei  

個人的には、イタリアで一番好きな作品のひとつです。
華やかで美しい音と演奏を散りばめて、全てのパートが歌を聴かせているような感じがとても魅力的に感じました。
徹底的に繊細で華やかな演奏にヴォーカルがうまく作品のテーマにあった生命力を加えていて、この起用も見事なものだと思いましたし、まさにこの歌声があってこその作品ですね。
タイトル曲終盤の、テーマが戻ってくるところの歌はちょっと泣きそうになりました。
楽曲としては、イタリアものにしては雪の降る夜のような冷たい空気を感じさせる感触が珍しいと思いました。

まあ、初めて聴いた時期のせいもあって、実際のところテクニカルなKayakというのが第一印象でしたが。

2010/08/09 (Mon) 21:53 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>keiさん

ジャケットの美しさと音がマッチしすぎる名盤ですよね。やや軽い部分が気になってたんですが、聴いているウチにそんなもんかと慣れてきて音の面白さが目立ってきた作品です。確かに空気が透き通ったイタリアには珍しい~アルバムですね(笑)。

2010/08/12 (Thu) 06:33 | EDIT | REPLY |   

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