Le Orme - Felona E Sorona

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Le Orme - Felona E Sorona (1973)

Felona E Sorona 包帯の男(紙ジャケット仕様)
Le

 イタリアという国はもちろん縦長に広い国で、北部と南部では多分文化もかなり異なるだろうし、それは音楽的な面でもかなり影響があるような気がする。こんなこと書いておいて今回の主役であるレ・オルメがどちら側の出身のバンドなのか、まで調べきっていないところが甘いのだが…、多分南の方(笑)。いや、何となく…。音がさ、すごく地中海的というかおおらかな流れに乗って進められていく感じが南部の感じなんですよ。北部はなんとなくこってりベタベタのあのイタリアンロック的な暑苦しさっていうイメージなのでさ、違うかもしれないけど。(注:ヴェネチア出身ってことでかなり北部の方出身らしいのでまるでアテにならない自分のイタリア感覚でした(笑)。)

 ってくらいにLe Ormeの1973年にリリースした5作目にして最高傑作と誉れ高い「Felona E Sorona」という作品。フェローナとソローナという男と女の二つの惑星を物語ったトータルコンセプトアルバム、らしい。歌詞まで追いかけていないけど、きっと男女の物語を惑星になぞらえて書かれたものなのだろう。イタリアのバンドって、コッテリしたイメージしかなかったので、Le Ormeの「Felona E Sorona」のような、鍵盤を中心とした大陸的で大らかなゆったりとした心地良いサウンドにちょいと驚いた。身を任せて大海原で漂うというような、セカセカしたところが全くない感じでね。だからと言ってかったるいかと言われれば全くそんなことはなくて、ある種BGMにでもなってしまうくらいに透明度も高くて変拍子も多い。歌はあまり好みではないけど、まぁ、無きゃしょうがないからね…というくらいにしか聴いていなかった。それよりも音楽の余裕度合いが良い。

 自分のはどうやらイタリア語バージョンだが、ピーター・ハミルが訳した英語バージョンってのもあるようで、これもまたかなり感触が異なるんだろう。またいつか聴いておきたい。これってピーター・ハミルが歌ってくれたらもっと殺伐とするのかもしれないけど、そうじゃないところが牧歌的でいい感じでもある。



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フレ
Posted byフレ

Comments 3

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風呂井戸  
美しい旋律は命

 もう古い話で何時買ったかは記憶にないのですが、当然私の持っているものは輸入盤(当時は日本盤はみあたらなかった)ですが、歌詞はないですね。とにもかくにもキーボードの世界ですね。ヴォーカルがギターとベースを担当という珍しいバンドで時にギターの音が入る。それはそれとしてイタリアらしい旋律の美しさとそのやや暗めの展開は日本人好み。あまり歌もうまいとの評価はないのですがなんか頭に残る歌です。この「FELONA E SORONA」は宝物でした。このバンドは後にギタリストを入れたり、アメリカに渡ったりなどなど・・・アルバムも多いですが、やっぱりこの70年代初期ものがいいです。

2010/08/06 (Fri) 23:48 | EDIT | REPLY |   
kei  

残念ながらイタリアでもかなり北の方、ヴェネツィアの出身なんですよね(笑)。
バンド自体は、個人的にイタリアのロックに持っているイメージの一つである情緒たっぷりな歌心という印象が強いのですが、あまりちゃんと聴いたことがないのであまりはっきりとは言えません。
そういう感じなので、イタリアのEL&Pと呼ばれていたというのはあまりピンと来ませんでした。

イタリアのバンドは音楽性自体は攻撃的だったりしても音が暖かいものが多いですね。
妙に冷徹な音が多い印象の強いフランスとは、地理は近くても対照的な感じがします。

2010/08/07 (Sat) 00:25 | EDIT | REPLY |   
フレ  
ども♪

>風呂井戸さん
常に中古レコード屋では見かけていてそういう刷り込みしかされてなかったので聴いてみてちょっと意外な感じはしましたね。確かに日本人好みな雰囲気で、コテコテでもないのがまた良いんでしょうね。

>keiさん
おや、北の方ですか?この大らかな雰囲気が…地中海に近い方と思ったのに(笑)。イタリアの音っても色々ありますけどやっぱりコテコテが印象深いんです。大らかな印象もあるんですが…。EL&Pと言われてもちょっとね、確かにピンと来ないです(笑)。

2010/08/07 (Sat) 11:33 | EDIT | REPLY |   

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