Nico, Gianni, Frank, Maurizio - Canti D'esperienza

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Nico, Gianni, Frank, Maurizio - Canti D'esperienza (1973)

Canti D'esperienza サン・シュープリーム(紙ジャケット仕様)


 そのNew Trollsの分裂組が結成したバンドの一部がこのNico, Gianni, Frank, Maurizioとなるんだけど、こっちのが多分本流…、本流だけどこれを本流としちゃうとNew Trollsって何だったんだ?ってなるから難しい(笑)。音楽性だけをNew Trollsに残してきて贅肉を削ぎ落した、シンプルな筋肉だけで創り上げたのがこの「Canti D'esperienza」という作品、という言い方になるのかな。凄くシンプルな英国的ハードロックをモチーフとしたサウンドで、Uriah HeepとかQueenとかそんな系統を感じさせる部分が多い。「Canti D'esperienza」をプログレッシブバンドのサウンドとしては大きな勘違いを生じることになるのは間違いないね。

 仰々しい鍵盤がないのと凝った展開も押さえ気味で割と普通に攻めてくる曲が多いのでそう聴こえるんだろうけど、やっぱり展開という意味では細かに細かにではなくてまとまった展開を考えているようで、別曲が始まったかのような大仰な印象。楽器的にはどれが目立っているというのでもなく、ややギターに比重を置いている感じだけどレンジが狭いからギターバンドとしては聴けないという独特のネックは変わらず。それにしてもNicoの歌声は完全に英国ハードロッカー達と変わらぬヘヴィなボーカルとして聴けるのが面白い。ぜひUriah Heepに参加してもらいたかった(笑)。

 本作「Canti D'esperienza」はNew Trollsで「UT」という名盤を創り上げながらも分裂してしまった一派としてこういう音がやりたかったんだろうけど、やってみたら結構シンプルに終わってしまってどうしよう?みたいなところがあったのかその後はIBISとなって超名作「サン・シュープリーム」をリリースするという成長過程のひとつとして重要な一作。美しさとハードさシンプルさはこの「Canti D'esperienza」が突出しているね。



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フレ
Posted byフレ

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