J.E.T. - Fede Speranza Carita

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J.E.T. : Fede Speranza Carita (1972)

消えゆく希望の灯(紙ジャケット仕様) ツァラトゥストラ組曲(紙ジャケット仕様)

 70年代のユーロロックはどういうワケか邦題の方がピンと来るものが多い。多分英語じゃないからとても原題では覚えきれなかったってのが大きな要因だろう。それが故に海外サイトからユーロロック系を探すのがちょいと面倒で、一旦邦題から原題を調べて、それから検索に走るということなのだが、それがまた現地の一般的な言葉だととても探し出せないというネットならではの難しさにぶち当たる。今回のJ.E.T.なんてアルバムタイトルの原題が「Fede Speranza Carita」っていっぱい出てくるんだもん。ってことで実態の調査を諦めてさっさと音を聴き直して自分の感覚だけに頼ることに…。ただ、ちょっと前に紙ジャケ化されているように日本では人気のあるアルバムなので、皆様が色々書かれていてブログなどで読めるのが救いです。

 そんなJ.E.T.の邦題「消えゆく希望の灯」っつう作品で、1972年リリースの唯一のアルバム。唯一ってのがこの頃のイタリア産のバンドには実に多いんだけど、勿体無い~っていうくらいの出来映えなんだから余計にだ。この後メンバーの一分はムゼオ・ローゼンバッハのメンバーと合体してポップスバンドを結成して成功しているらしいが、まぁ、そういうのもありなんだろう。それはともかく、ちょっと硬質でヘヴィな音世界ってことで何となく繋がって聴いてみた「消えゆく希望の灯」だが、やっぱりイタリアは暑苦しいねぇ~。音だけならかなり英国のプログレに影響を受けたような感覚があって、英国産バンドだよ、と言われても納得してしまう雰囲気。歌が入った瞬間からこれはイタリアだ、とありありとわかってしまうくらいの暑苦しさ、しつこさともいうのか…。こういうのって聴いていると、うわ~ってハマるんだけど、それもバンドとバックの音の完成度の高さがあって初めて納得出来るものだからね。

 J.E.T.の「消えゆく希望の灯」はベースのブリブリさが面白いのと多分プログレとかユーロとか意識してやってるんじゃない部分ってあるんだろうな、と思う。壮大にプレイするってのはあるけど、好き勝手に曲の展開を進めていく…その中で起承転結があればそれでいいし、またそれぞれのプレイヤーが目立つパートは思い切り目立たせるような曲構成とも感じる。でもね、J.E.T.の「消えゆく希望の灯」が凄いのはアルバム収録楽曲の緊張感とレベルの高さ。もちろん曲の良さもピカイチに等しいんだが、テンションの高さが心地良いんだよ。音の硬さはもう少し、ってトコだけど、そういう優しさやソフト感もイタリアの熱さの現れだからなぁ…。しっかしまぁ、暑いわ。



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フレ
Posted byフレ

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風呂井戸*floyd  
懐かしのユーロ・ロック・コレクション

 キング・レコードが”ユーロ・シリーズ”で、もう30年も前にムゼオ・ローゼンバッハ「ツァラトゥストラ組曲」をリリースしてくれて涙ものだったことを思い出します。そしてプログレ界に大きな功績をのこした。その後の新シリーズ”クライム・インターナショナル・シリーズ”として、このJ.E.Tの「消えゆく希望の灯」をチェルヴェッロ、フンカ・ムンカなどと紹介してくれた。今見ると当時この盤は高めの3200円だったが、それにも勝る感動があった。そしてマティア・バザールへと発展していくわけです。イタリアものにはまった私の歴史の中での貴重盤でもあります。(懐かしの回顧です)

2010/07/28 (Wed) 13:33 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>風呂井戸*floydさん

ユーロロックコレクションシリーズ、貴重な情報を音ごと提供してくれたことに感謝ですねぇ。同じくムゼオから入ったクチです。この辺のはあまり手を出さなかったのでちょっと遅れて聴きましたね。イタリアものはもうあのコレクション以外は日本にはまだまだ浸透していない気がします。

2010/07/31 (Sat) 10:37 | EDIT | REPLY |   

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