Anekdoten - From Within


ひたすら硬質なプログレを聴きたい、と思うこともあって大体はKing CrimsonとかVDGGくらいしかないのだろうが、ここ最近ではしっかりとその辺のフォロワーも多数出現しているし、それぞれが個性を持っているそうだ…。そうだ、ってのはまぁそれほどよく知らないからなんだけど。中でもAnekdotenの存在はAnekdotenがデビューする頃から知っていて結構興味深く聴いていた。だから最初から知ってたって言うことなんだけど、その割に聴いている回数は多くないし、アルバムも最初の二枚はうわ~って聴いたけど、三枚目あたりからそんなに聴いていない。そんなこともあって、この流れなのでちょっと聴いてみよう~ってことで出してきましたAnekdoten三枚目の「フロム・ウィズイン」。Withinって言葉はこの辺から流行ったんかな?
1999年にリリースされた期待の三枚目「フロム・ウィズイン」。1st「暗鬱」2nd「ニュークリアス」と怒涛の衝撃を与えてくれた後の作品なので当然同系統の作風というのはわかるが、ちょっと重みと落ち着きを取り戻したというような部分があって、相変わらずハードでエッジの立ったクリムゾン風な冷酷さを持っているものの更に凄みが付いてきた感じ。ただ、その分優しさも赤裸々に現れてきたような…、そんな雰囲気も見え隠れする。やっぱメロトロンの憂いってのは聴く者を圧倒するし、そこに歪み切れないギターが絡んでくるし、ブイブイとベースが鳴っているのも堪らなく素晴らしい。ドラムの音だってブラッフォードに近いし…、クリムゾンフォロワーと呼ばれるワケだ。「Hole」という11分にも渡るナンバーが入ってるんだけど、この曲がアルバム内最高の出来映えで、自分が何を聴いているのかすら忘れ去ってしまうくらいに音の洪水にハマり込んでしまう美しさを持つ。近年ではなかなか聞くことの出来ない繊細な世界…、もっと聴いてれば良かったなぁ…と反省です。比較論でアルバムを聴いてはいけないね。
最初の衝撃が強かったからその後は…っていうバンドが多い中、独自の解釈とパワーを含めて成長しているAnekdotenの「フロム・ウィズイン」は凄い。クリムゾンはアルバムごとの表情を変えてさっさとシーンから消え去ったから伝説になったけど、Anekdotenは既に20年近くシーンに居座りながら幻影を見せてくれ続けているような感じだ。彼らの独自性をどこかで本当に打ち出したら面白いのに、と思う。もったいないけど、この音世界に浸れるのもAnekdotenのみなのだよな…。素晴らしい。
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